隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。
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オレの同居人、作家の桜川ひとみは、山奥の「柚木野山荘」で開かれる結婚式に招待された。
そして、無理矢理連れてこられたオレ(しかも一服盛られて!)。
山荘で待っていたのは幼なじみのサスケと美描トマシーナとの出会い、しかしそれだけではなかった。
オレは次第に怪しげな雰囲気に飲み込まれていく。
新郎・白石へ脅迫状が舞い込み、土砂崩れで山荘は孤立、そしてとうとう最初の犠牲者が……。
毒死、転落死、相次ぐ死は事故か殺人か?
猫探偵正太郎が活躍するシリーズ第一弾。
本格ミステリー!
昨日“雪の山荘”のことを書いていたら読みたくなった作品です。
名前からしてそれっぽいでしょう?
この小説に初めてであったのは、高校生のときのこと。
当時図書館に通いつめていたのですが、そんなときふと手にとったのです。
そのとき手にしたのはノベルス版の改題前のものです。
『柚木野山荘』という響きに心躍らせ冒頭ページに目を走らせました。
少し違和感を覚えつつページをめくって驚きました。
だって、主人公が猫だったんですよ。
猫――正太郎が小難しいこと考えて、飼い主を“同居人”と呼び、仲間たちとあーでもないと推理を繰り広げるのです。
楽しいったらないです。
もちろん、人間たちも推理するのですが人間たちがたどり着くのは不完全な推理であって本当の真相は猫しか知らないってのもおもしろい。
登場する人間は推理小説家である同居人とその知り合いである作家や編集者たち。
事件の結末としてはなんとも悲しいものだったりはします。
ですが、全体的にさくっと読めますし、癒されます。
事件自体は惨劇といっていいほどのものなのですが、読後感はけして悪くありません。
多分、主猫公である正太郎がケセラセラの精神であまり事件を暗く捉えていないからなんでしょう。
作中で述べてたとおり「同居人以外が死んでも気にしない」からでもあるんでしょう。
ちょっと冷たいかもしれませんが、それは正太郎が猫であり、人間ではないから。
だからこその言葉であり、「ああそうなんだ」と素直に納得できてしまうだろうと思います。
このシリーズここ最近発売されてないんですが、語られていないものの作中で仄めかされているエピソードがいくつかあったはず。
読みたいんですけど、発売されないんでしょうかね。
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