フェイクスイーパー! ~高原御祓事務所始末記~/朝香祥
“霊”の存在が認知され、除霊を請け負う職業がポピュラーになった昨今。だが、弱冠十八歳にして高原御祓事務所を経営する高原透は、除祓能力を持たない“エセ御祓師”である。悪徳御祓師を摘発するために、国の監査が入ることになり、透たちは大アセリ。そこに、透の腹違いの弟と名乗る少年、矢野真悟がやってきた。透は除霊ができる真悟を雇うことに……!? 近未来ゴーストコメディ!
今日はラノベです。
このシリーズ3巻まで出ていて、続きがありそうな終わり方しているのですが続きは出ていません。
どこかで「大人の事情」だと見た気がするのですが、まあ基本的に1巻で完結している物語なのであまり問題はないと思います。
あらすじでは近未来となっているのですが、近未来っぽい要素はあんまりないです。
どちらかというと世界観はムヒョロジに近いのかな。
ムヒョロジでは霊犯罪の増加に対応するために魔法律家が存在し、この作品では御祓師が弁護士程度にポピュラーな職業として存在しています。
どちらも霊の存在が世間一般的に認められ、それに対抗する職業がスペシャリストながらも結構な数が存在するってところは一緒ですね。
主人公は透さんでいいのかな?
表紙でいうと後ろの方にいるお兄さん。この人は超がつくほどのお人よしで、急死した父の後を継いで御祓事務所の所長に。
でも、透さんには霊を祓う力が皆無。
所員たちも事務処理能力はともかく、除祓能力はないらしく悪徳とはいわないものの偽者御祓師だったわけです。
問題のある御祓事務所に国の監査が入るという情報やら、弟を名乗る少年が現れるわ……。
あっさり読めるのでそういう印象はないのですが、こう文章にするとけっこう濃いですね。
この作品、コバルト文庫から出てるので登場人物紹介があるのですが、そこに描かれているのは男性オンリー。
女の人は本編でもちらりとしか登場しません。
市橋さんっていう事務員というか秘書?が登場するんですが、この人の透さんに対する過剰なまでの心酔っぷりがすごいです。
登場人物紹介で「透命のその態度はやや危ない(!?)」とか書かれてますからね。
何があってああいう態度になったのかすごく気になるのですが謎のままです。
まあ所詮はサブキャラですし、メインである透さんと真悟のことが先に語られるのは必然ですしね。
仕方ない。
透さんと真悟の会話が読んでいて楽しかったです。
透さんがなれない人との会話が苦手で、最初はかなりどもっているのですが、気づくとすらすら話していて好きでした。
途中で、真悟がスパイだったことが明かされるのですが、ここからどういう展開に持っていくのだろうとすごくはらはらさせられました。
最後の病院での会話ですが、セリフだけならかなり萌える内容だと思うんです。
だけどなんでかあんまり萌えられなかったんですよね。
やっぱり三人称で感情移入がしづらかったからでしょうか。
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