スウェーデン館の謎/有栖川有栖
取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、雑妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。大好評国名シリーズ第二弾! 長編ミステリ。
いつものように作者は有栖川さん、登場人物はアリスで書いていきたいと思います。
今回はスウェーデン館と呼ばれるログハウスで起こる事件にアリスが巻き込まれていきます。
巻き込まれていくというか自分から飛び込んでいっているような感じが強いですが。
作中の時間経過はわずか3日ほどながら、物語の重要なキーとなる4年前の出来事。
さらにはエピローグでは「あれから季節が6つ回ったが」とありますから前後の出来事をあわせて実質6年弱の出来事っぽいです。
はじめのうちはペンションやスウェーデン館で語らう様子が延々と描かれていて若干あきました。
アリスがスウェーデン館に滞在する客人たちと語らう様は楽しく、事件の発生は比較的早いんですけどね。
しかしながら、火村先生が登場するのは物語の半ば。
間違いまくって、自身の推理を否定しまくるアリスに延々付き合わされるのはちょっときついものがありました。
このシリーズの楽しみ方としてアリスと火村先生との会話を楽しむって面もあるので火村先生が登場が遅いのはちょっと大変ですね。
まあその分、火村先生の登場シーンがやたら劇的でしたけど。
電話してすぐ飛んできたとかもう笑っちゃいました。どんだけアリスは愛されてるんでしょう。
犯人には同情を禁じえませんでした。
まあ、途中アリスのがんばりに比例するように顔色が悪くなっていたりしたので途中で怪しいなぁ、と思いつつよんでたのでそんなに驚きはしませんでした。
解説で宮部みゆきさんも書かれてますが、犯人に工作を指示した人物が最低に見えました。
で、トリックとしては中々おもしろかったのですが、死体移動って難しいものがあるのではないでしょうか。
死斑とか死後硬直とかいろいろあるんじゃなかったですっけ。
昔は西村京太郎さんや山村美紗さんなどの小説の知識で知り、けっこう詳しく覚えていたのですが、何年もそういう小説を読んでいないのですっかり忘れてしまいました。
アリスは面食いで女運は悪いんだろうな、と思ってこのシリーズ読んでいます。
小説を書くきっかけとなった少女くらいしか女の影(ちょっと違う?)っぽいのはありませんが、それでも若かったアリス少年に深く傷を負わせたわけですし。
アリスと火村先生はこのまま独身なんだろうなぁ。
そして今回もまた仄めかされた火村先生の過去。
うーん、気になる。けどこれが明かされたらイコールしてシリーズの終わりがくる気がしないでもないのでちょっと怖いような気がします。
けど、とても不謹慎なことですけど作者死亡で闇に葬られてしまったりするのは嫌だなぁ、とも思います。
1959年生まれとあるので、有栖川さんも50歳すぎ。同業の北森鴻さんは今年亡くなられましたが有栖川さんより若い48歳。
そう考えるといつそういうことが起こるか分からないわけですし、ね。
気分を害してしまったらごめんなさい。
ちょっと終わりが悪い気がしますが、これくらいで。
明日は何か漫画でも読もうかなと思ってますが、もしかしたらラノベや児童書を読むかも。
まあ要するに未定です。
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