よろず一夜のミステリー 枝の表象/篠原美季
「よろいち」の編集アルバイト学生恵もいよいよ就活の季節。そんななか、編集部に寄せられる情報は"幽霊"ネタばかり。臆病者の恵が渋々調査に出掛けた廃屋で目撃したものは怨霊なのか。一方、兄の稔は行方不明の父を捜し続けていた。しかし、その消息を知る男の死。現場に残るアカシアの小枝の意味は? メンバーとの別れ、就職、父との再会……恵の今後や如何に。シリーズ完結編。
この間購入してきた1冊を読みました。
280ページだから、ちょっと薄めですね。
あらすじにもある通り、シリーズ完結巻です。
サブタイトルが五行で一周してキリはまあいいんでしょうね。
今回は幽霊騒動と、前々から仄めかされていた恵の父親について語られています。
が、ぶっちゃけ物足りない。
作者さんの他のシリーズの刊行ペースを考えても忙しいのはわかるんですが、ちょっとなぁ。
この作品って「青春<怪>ミステリー」なんて銘打たれてますが、ぶっちゃけミステリというにはお粗末です。
が、オカルト的な現象を科学的に考証していき、ついでに事件の解決に関わっていくという基本コンセプトは好きだったので読んでいたんですよ。
でも、今回は事件らしき事件は1件のみ。
その1件に関しても、稔が間接的に関わっている程度なので。
こういう作品でも扉絵っていっていいんでしょうか?
章タイトルのページのイラストの恵が可愛かったです。
個人的には三章のキイチの服を一生懸命掴んで幽霊に怯えてる恵が一番好きです(笑)
恵の今後が気になるような、でも想像できるような終わり方でした。
作中で内定をもらっていた会社はなくなってしまった訳ですし、このままアルバイトから社員に昇格しそうな気配です。
そして今まで通りのほほんと万聖さんの話を聞いて、キイチと言い合いつつ仕事してそう(笑)
作者的には続きを書く意欲はあるようですが、その辺は編集部次第なのかな?
とりあえず、次の作品は新潮文庫の新レーベルで新シリーズらしいんですが、"新潮文庫の新レーベル"って表現に「?」って感じなんですが。
どういうことなんでしょう。秋から冬に発売になるらしいので、ちょっと気を付けてチェックしたいと思います。
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