1/2のヒーロー 竜 神の巻/七穂美也子
鵺退治を終え、無事に村へと帰ろうとする聖、譲葉、鷹矢たちだったが、またしても新たな 難題が――。
ある地方の過疎の町で、レジャーランドを建設する計画で古池を埋め立てようとしたところ 、とつぜん『竜神』が暴れだしたという。
昔々の“契約”を守れと迫る竜に対し、強引に「百目の巫女」を担ぎ出そうとする町民たち 。
無理やり巻き込まれた聖はどう切り抜ける…!?
新怪感ファンタジー!
1巻以来の譲葉が表紙に登場です。変わりに鷹矢は表紙が消えましたが。
まあ大した問題じゃないですね。
今回は<第五話 竜神の章>、<幕間 疫鬼の章>の2編が収録されています。
といっても、幕間は次巻への繋ぎです。なので、全編通して竜神の話といってもいいですね。
この話は人間の傲慢さが目立つ話でした。
金が欲しい、だから土地を売りたい。土地を売るのに竜が邪魔だ。だから竜を祓ってしまおう、っていう考えに聖たちが巻き込まれます。
本当に傲慢です。
それも自分たちは犠牲を祓わずに余所から連れてきた巫女にお願いしよう、っていう考えも気に入りません。
自分たちの都合で留めたり、追い払ったりと竜の方がかわいそうになってきます。
竜が生贄を要求してきたとかなら話はまた別なのかもしれませんが、そういうわけではありませんからね。
結局、聖は譲葉を助けるために竜を追い払ってしまうのですが、竜が最後に残していった言葉がぐさりと突き刺さります。
実際に、竜がいなくなってしまったがために、大百足は暴れて火山が噴火してしまいます。
安倍晴明に導かれ次巻はそれに賭けを持ちかけるようです。
楽しみです。
作中で。まんが日本むかし話の替え歌が出てくるのですが、その歌に笑ってしまいました 。
あれじゃ、本当に追いはぎですよ。
独占欲丸出しの鷹矢がちょっとガキっぽかったです。
まあ、仕方ないのかもしれませんけどね。
本当だったら鷹矢に18の夏休みは来ないはずだったんですから。
百目様に体を捧げて、「瑞垣鷹矢」という存在はとうに消え去っていたということを考えたら、すこしぐらい欲が出てきてもおかしくはないんですよね。
鷹矢が聖へ「東京へ出てこないか」と持ちかけているのですが、その返事は保留になってます。
いったいどんな返事をするのかも楽しみの一つです。
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