1/2のヒーロー 鵺の巻/七穂美也子
伝説の妖怪「鵺」を祓ってほしい――。
ある神社からの依頼を受けた“神殺しの巫女”聖。
とりあえず形だけ神事をこなせばいいと、ちょっとした出稼ぎのつもりで譲葉と従兄の鷹矢とともに現地を訪ねた。
しかし聖は鷹矢に告白されたことで、どうにも心落ち着かず…。
そんな中、目の前で謎の「光」に襲われる住民が続出する。
聖の新たな“ギャンブル”の相手の正体は!?
新・怪感ファンタジー!
前巻の土蜘蛛の話と続いてます。
鵺というとキメラみたいな複数の動物が合わさったような妖怪を想像するんですが、この本で扱われるのは寂しげな声で鳴く妖鳥、としてです。
表紙の弓をひく聖がかっこいい。
後ろの鷹矢がちょっと意味深な感じなのは本物じゃないからなんですが、あんまりいうのもどうかと思うんでちょっと自粛。
子どもたちのが金儲けに関してうまいってことは前巻でも軽く触れられてましたが、今回もそういう面が出てました。
百目の巫女たちは本当に頭がいいですね。頭のいい子は好きです。
今回はあまり賭けって感じがしませんでした。
どちらかといえば、聖の心の葛藤の方が印象に残りましたが、それもそこまで重くはないし。
BL的な要素としてはかなりの発展しました。
けどまだ流されてるだけかなぁ、って感じはしますが。
美少年・ユキちゃんのビジュアルが楽しみだったのですが、全く出てきませんでした。
そのおじいさんなんかは出てるんですけどね。うーん。
作中で血まみれの女性が出てくるんですが、その正体とそれに対するユキちゃんの言葉に「確かに」と思いました。
そうなんですよね。
鵺の正体が「恐怖」でトラウマや後ろめたい事を強制的に思い出させるのに、あの人には鵺はただの光にしか見えなかった。
イコール、罪の意識なんて微塵もなかったってことじゃないですか。なんか他にもいろんなあくどいことしてそうです。
基本的にこの話って怖くはまったくないんですが、ここだけは意味は違うかもしれませんが、ちょっと怖いな、と思いました。
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