レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い/三田誠
京都での“あの出来事”から季節は過ぎ、<アストラル>はいつもの賑やかさを取り戻しつつあった。しかし<アストラル>のメンバーは大きな変化を受け入れざるをえなかった。穂波や猫屋敷、そしてアディリシアまでも<アストラル>から離れていき……。いつきは彼らへ届けたい想いを胸に、右目の力は薄れ、トレードマークでもあった眼帯は無くなったが、自らの力だけで試練に挑んでいく! そして今宵、新たな魔術の夜が幕開く――!!
レンタルマギカ第3部スタートです。
オルトといつきの絡みが好きな私にとって、この巻は本気で楽しかったです(笑)
オルトくんの過保護っぷりとか「飼い主」発言とか、クロエさんとのやりとりを見て不機嫌そうだったりとか。
腐った視点から見ると深読みしたくなるようなところが多々ありました。
もっとオルいつ広がればいいのにとか思います(爆)
京都の事件から半年。いつきと山田は進級したものの、穂波とアディリシアさんは休学中。
事件が残した傷跡は思いのほか深いです。
穂波と猫屋敷さんは協会へ派遣され(実質人質)、いつきが禁忌判定されたことにより<ゲーティア>首領であるアディリシアはいつきに接触することは厳しくなる……。
以前のように笑いあい、騒ぐ日常に戻るため、いつきは粉骨砕身します。
今回は非常に楽しかったです。
新しく協会の担当になったクロエさんは
魔法使いの妹に収録されてる作品で、ツェツィーリエと戦った少女です。
ツェツィーリエを退けたいつきたち<アストラル>と敗北した自分。
自分で自分を許せなくて、いつきに迫るわけですが、不器用さが可愛かったです。
この子はアディリシアと穂波の退場により「花」が少なくなったための登場なのかな?と思っていたのですが、思っていたよりも重要なキャラクターになりそうです。
さらには<銀の騎士団>のジェラール・ド・モレーはいつきが協会で発言するためにはかなり重要になってきます。
そして1番重要なのは「魔女の中の魔女」ヘイゼル・アンブラー。
穂波の祖母にして、先代アストラルの社員。
物語初期から存在だけは仄めかされていた魔女がついに登場です。
まあ、人じゃないですけど。
なぜ彼女が羽猫の姿でいるのか……。きっと理由があるんでしょうね。
<銀の騎士団>との魔術戦闘(フェーデ)は本当におもしろかったです。
視点があちこちに移動するのですが、これ単一視点だったら絶対おもしろくなかったはず。
複数視点で描いたからこそ、最後の対決が非常に栄えたんでしょうね。
イカサマにイカサマを重ねて格の違う相手と対等に渡り合う。
そうでもしなければ、皆を取り戻せないってことなんでしょうね。
けど最後に真っ向勝負を仕掛けるのはいつきらしいとも思いました。
最後に行方知らずになって9年が立つ伊庭司の生存、<螺旋なる蛇(オピオン)>が協会から派生した組織であることが明らかになったところで今巻は終了。
今月末に最新刊が発売されるらしいので、今月中にもう1冊読んでしまいたいと思います。
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