創竜伝 8 仙境のドラゴン/田中芳樹
竜泉郷へ足を踏み入れた竜堂四兄弟。茉理の姉という瑤姫(ようき)に瀬亜衣、仙界へと向かう。だが、自分たちのルーツを解き明かそうとする彼らの前に立ちはだかったのは、四人姉妹(フォー・シスターズ)に牛種。怪獣たちの攻撃に怒った四色の巨竜が空翔る。
「をーっほほほほほ!」の愛と正義の“美女”戦士・小早川奈津子も期待通り大活躍!?
けっこう久しぶりな気がする創竜伝です。
今回もまた茉理ちゃんと四兄弟は離れ離れ。
四兄弟は茉理ちゃんの正体を知ります。
そして、水池、虹川、蜃海3人の正体も仄めかされていますね。
明言こそされていませんが、以前作中でも語られていたとおり、かつての部下だったようですね。
なんというか視点があちこちに移動して若干疲れました。
四兄弟(現代&過去)、四姉妹、茉理ちゃん、四兄弟の下っ端などなど。
あちこちに視点が飛ぶので、本を読むということに慣れていないと若干厳しいかも。
今回は本編にあんまり関係ないところでテンションあげてました。
たとえば、上のあらすじとか。小早川奈津子の紹介文「愛の正義の美女戦士」って元ネタ
セーラームーンですよね。
確かセーラームーンのキャッチコピー?が「愛と正義のセーラー服美少女戦士」だったはずなので。
この文庫が刊行されたのは1996年。年代的には多分セーラームーンやってたころだったと思うのですが。
そしてもう1個テンションがあがったのは崑崙に向かう途中の出来事。
終命名・トビマロこと騰蛇。
そして四兄弟と崑崙を襲ったシュン(漢字が出ない!正しくは「夋鳥」)。
騰蛇は言うまでもなく
少年陰陽師に登場するあの騰蛇の原型でしょう。
そして、シュンもどこか聞き覚えがあるのに思い出せなくて。
ようやく思い出してすっきりしました。
少年陰陽師の初期・窮奇編にて登場した異邦の妖異の1匹で彰子の腕に呪をかけた2匹のうち鳥っぽかたのがそうですよね。
以前この本を読んだときは少年陰陽師に出会う前だったので、全く気にもとめていなかったのですが。
正直、黄大人が亡くなっていたことに驚きました。
この作品読むのはこれで2、3度目だと思うのですが、すっかり忘れていました。
なんだろう。小早川奈津子ってなんとなく憎めないイメージがあったんですが、初登場時の赤ん坊に対する仕打ちといい、結構ひどいんですよね。
そして、ランバート・クラークが、牛種によって体をのっとられてしまいます。
確かに彼は善人ではありませんでした。
けど、のっとられてしまったのが「いい気味」と思えるほど悪人ではなかったんですよね。
それに関してはちょっと後味が悪いかも。
きっと、もうランバートが自分を取り戻すことはないのでしょうけど。
次巻がどうなるのかはすっかり忘れてしまいましたが楽しみです。
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