よろず占い処 陰陽屋へようこそ/天野頌子
母親にひっぱられて、中学生の沢崎瞬太が訪れたのは、王子稲荷ふもとの商店街に開店したあやしい占いの店「陰陽屋」。店主はホストあがりのイケメンにせ陰陽師。アルバイトでやとわれた瞬太は、じつはキツネの耳と尻尾を持つ拾われ妖狐。
妙なとりあわせのへっぽこコンビがお客さまのお悩み解決に東奔西走。店をとりまく人情に、癒されるほのぼのミステリ。単行本未収録の番外編「大きな桜の木の下で」収録。
<解説・大矢博子>
この間表紙買いしてしまった作品です。
この作品って加筆訂正+αな作品だったんですね。
ピュアフル文庫最近そういうの多い気がするなぁ。
『第一話 陰陽屋はじめました』
瞬太が母親と一緒に陰陽屋をおとずれ、バイトをはじめることになる話。
母親・みどりさんの明かした悩みに祥明が示した解決策がかなりそれっぽく聞こえました。
なんの資格もない中年男性が再就職するよりも看護士の資格をもつ中年女性の方が就職先は探しやすいでしょう。
失業保険が出ている間、義母の介護を旦那がするってのもかなり効率的な気がします。
と、そこらへんは特に気にならなかったのですが、瞬太が自身の秘密を簡単にぶちまけてしまうのはちょっと。
おいおい、と思ってしまいましたね。
瞬太の秘密を祥明が知るってことがないと話が進まないんですが、もうちょっと何か方法はなかったのかなー。
『第二話 狐憑き疑惑』
小学生の少女が「お父さんにキツネが憑いたので追い払ってほしい」と言われる話。
実際はキツネも何も取り付いていなくて、妻から旦那へへのDV話だったんですけど。
子どものために、自分のために「あれは霊のせいだったんだ」としてしまうのはわからなくもないですね。
ただ、根本的な解決だとかにはなっていないので再発しないとも言い切れない気が……。
そのときこそは専門家の出番ってことなのかな。
委員長・高坂くんが登場します。
めちゃくちゃ怪しいですよこの子(笑)
委員長が何を思っての行動だったのか、なんてのは後々明らかになります。
『第三話 失せ物探し』
隠された遺言状を探す話。
これは途中でどこに隠されているかわかりました。
ただ、猫に手製の首輪ってあんまりよくないんじゃないのかな?とか思ってみたり。
何かの本で読んだ記憶があるのですが、猫って首輪を引っ掛けてしまうことがあるから簡単に切れるようになっているのだとか。
手製の首輪じゃそうはいかないですよね。
まあ、猫飼ったことないんで実際のところどうなのか知らないんですけど。
ようやく、祥明の幼なじみという男性が登場します。
いろいろ仄めかされていますね。
『第四話 家出人探し』
15年も前に家出した娘を探して欲しいという依頼の話。
3話で登場したいじわるな婦人が依頼人。
なんとも思い込みが激しくて、若干いらっとしました。
瞬太の実の親はいったい?
という謎にも迫るわけですが、結局わからないまま。
これは確かに気になりました。でも、瞬太の親はみどりさんたちなんだよ!と声を大にしていいたいような。
続編があるならこの辺のことを語ってほしいですね。
あとは祥明の両親も登場するのですが、この母親は怖い。
なんだろう、明るい母親ではありました。
でもそういう問題じゃない。
この母親が反省するなんてことは来ないのだと思いますが、いつか罰があたる程度のことはあってもいいと思います。
『番外編 キツネ取材日記』
高坂くんから見た瞬太の話。
ええ、これでよく本人はばれていないと思ったものです。
瞬太は本当にみんなに愛されているのだなぁ、と。
高坂くんはやっぱり腹黒い(笑)
『番外編二 大きな桜の木の下で』
祥明が小学生のころの話。
藁人形に犬の毛をしこむとか、本当にこの母親怖いです。
なんだろ、「大変だったんだね」とか「変わってるね」ですませていいレベルじゃない気がするんですが。
可愛かったし、おもしろかったです。
とても可愛らしかったですがなんとも中途半端な印象を受けました。
続編を出すからこその中途半端さならいいのですが、その辺どうなんだろ?
[1回]
COMMENT
No Title
Re:No Title
図書室にあるとかいいですね。近所の図書館にはあまりこういう本がないので自分で買うしかなくて(^^;)
シリーズ3巻まで発売してますので、気に入られたのでしたら読んでみてはいかがでしょうか。
コメントありがとうございました!
No Title
、岡島も飛鳥高校に通っています。相変わらず、瞬太は、寝ています授業中。
Re:No Title
瞬太が寝てしまうのは体質ですから、もう仕方ないですね。
先生方も諦めてますし(笑)
再びのコメントありがとうございました!
No Title
Re:No Title
>大変だったねで、……
祥明のお母さんの話ですね。うーん、このお母さんに関しては、いじめというよりストーカーとかヤンデレに近い印象を受けていたのです。
だからこそ、祥明からしたらたまったもんじゃないないだろうなぁと思っていたのですが。
作者のそういう配慮だったのかもしれませんね。
いくつもコメントしていただきありがとうございました。