Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパーク7/石田衣良
鉄の結束を誇るGボーイズに異変が生じた。ナンバー2・ヒロトの胸の内に渦巻く、キング・タカシに対するどす黒い疑念。Gボーイズが揺らげば、池袋のパワーバランスも破綻しかねない……。タカシの危機にマコトはどう動くか? 史上空前の熱き戦いを描く表題作はじめ4篇を収録した、IWGP第7弾!
解説・大矢博子
昨日今日と何気なく選んだ本だったんですが、2冊続けて解説が同じ人でちょっとびっくりしてしまいました。
基本、作者は気にするものの解説してる人なんて気にしませんからね。
『要町テレフォンマン』
振り込め詐欺の加害者が相談を持ちかけてくる話。
振込み詐欺のちょっと発展した頃の話みたいです。
警察官役とか弁護士役とかが登場する振り込め詐欺です。
ヨウジの「電話では誰にでもなれる」っていう特技は確かに振り込め詐欺に持ってこないなんでしょう。
最後、テレフォンアポインターとかの職を探してみようかとするヨウジの成長っぷりは見事でした。
『詐欺師のヴィーナス』
絵画商法に騙されたことを知りつつも女のことを信じたい男の話。
なんというか、キヨヒコがすごく馬鹿にしか見れなかったです。
エリーがキヨヒコにとってどれだけ魅力的なのかはわかりませんが、何の価値もない絵に百六十万も払う気持ちが知れないというか。
マコトがエリーに「男の気もちなんてわからないと思うけど」とか言ってますが、マジでわかんなかったです。
このシリーズって基本的に感情移入しやすいんで、ちょと珍しいかもしれません。
『バーン・ダウン・ザ・ハウス』
放火が相次ぎ、少年が疑われる話。
ユウキが疑われてしまうのも仕方ないのかなぁ、とか思いました。
自分の家を放火してわずか1ヶ月程度しかたっていないのでしょう?
人の記憶から完全に消え去るには時間が足りませんからね。
最後、ユウキが大怪我を負わせてしまったおばあちゃんに謝るのですが、すごくよかったです。
ユウキが素直な子だってことは作中で語られていましたし、謝ることが出来たこれからは少しくらいの間違いはともかく、大きな間違いを犯すことはないでしょうね。
『Gボーイズ冬戦争』
Gボーイズが内部分裂してしまう話。
途中で「キングはもう年だ」みたいな話がされてるんですが、そうなんですよね。
マコトとタカシは同い年でシリーズ1作目で19歳でしたっけ?
このシリーズって1冊で1年が経過しているらしいので……25歳?
確かにストリートでしのいでいくにはちょっと厳しくなってきたのかも。
今回は過去の復讐が行われます。
えっと肉屋の話、わかりますか?
マコトが女子高生監禁事件を調べて、パーティー潰しのことも調べてそれが全部繋がっていて……ってやつです。
マコトがウエストゲートパークで囮になったりする話です。
あのときの犯人の弟が登場してマコトに復讐しようとするのです。
正直、今までこんなことがおきなかったことがおかしいんですよね。
マコトはなんだかんだいいつつ、かなりの人を助けています。
ということは、かなりの人数を罠にはめているってことです。
はめられた方がマコトを恨んでいるってことがあっても微塵もおかしくないんですよね。
マコトとタカシの友情が読んでいて楽しかったです。
タカシは孤高の王に見えます。でも実際はそうじゃないんだ、って。
「影」が気になります。
また登場してくれないかなー。
おもしろかったです。
だいたい月1くらいのペースでこのシリーズ読んでるんですが、もしかして来月あたりで文庫追いついてしまうんでしょうか。
うーんハードカバーで10巻出たし、そろそろ9巻文庫化しないかな。
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