燃える記憶 天国の扉(ドア)は2つある/小林フユヒ
退魔士ルスハと司教ラグ・アズファール。くされ縁で相棒なふたりは、今日も『悪魔憑き』を追いかけて救急車で爆走したり、へんてこなカップルにつきまとわれたり。ところがある事件をきっかけに、ラグの秘められた過去があぶり出される……。<気>を自在にあやつり、超絶美形の暴力番長で最高エリート特殊能力者の彼が、なぜ、自らの手で『悪魔払い』を――? 超過激アクションファンタジー!
ずいぶん前に読んだ
天国の扉は2つあるの続編です。
これで小林フユヒさんの作品3つ目なのでカテゴリ作りますね。
でもこの方これ以降作品発表されてないみたいなんですよね。
結構好きだったんですけど残念です。
前回同様、連作短編とでもいうべきかな。
『ゆけゆけ救急車両』と
『燃える記憶』の2編が収録されてます。
燃える記憶は短編というには長いですけど。
こういう微妙な伏線って大好きです。
読んで「ああそういうことか。だから●●だったんだ」と気づかされるようなの。
ラグサイドがあまりにもシリアスだったがために、ルスハの隠し子騒動は笑えました。
『パパ』と言われちゃ、無下にはできませんよねー(笑)
前作はどことなく、ハガレンに似てるなーと思っていたのですが、今回はそういうことは特になかったです。
心理描写というかそういうところに重きが置かれていたので、そのせいかもしれません。
世界観という点に置いては、救急車があることに驚きました。
馬車を使っているような田舎がある一方で、救急車が都会にあるってことはどんだけ格差がひどいんだ、と。
ラグが自らの手で悪魔払いをする理由。
それは復讐心に捕らわれている師匠をいち早く止めるため。
もう読んでいてちょっと泣きそうになってしまいました。
優秀な神官を縛り付けるための印。それを自力では解くことが出来ないようにグリフィルの図を刻まれ、自由に行動をすることが出来なくなったラグ。
悪魔払いをする者は印を解いてもらえる。だから、ラグは悪魔払いをしていたのですね。
ラグが悪魔払いのパートナーとしてルスハを選んだ理由とかそ辺も語られていたらもっとよかったのになー。
あとがきを読む限り、続きを書く意思はいくらかはあったよう。
それなら、次巻で明らかにするつもりだったのかもしれませんね。
そう考えるとここで終ってしまったのは本当に残念です。
でも物語自体はここまででもとくに問題ないですね。というかこれ以上書いたほうが蛇足だったかもしれません。
おもしろかったです。
明日はミステリーでも読みたいなーと思うのですが読めるかな?
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