凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル 1/北森鴻
面の持つ怨念によって村内に死者は急増し、社に封印されたという伝説を持つ「凶笑之面」。その由来を調査して欲しいとの依頼が、蓮丈那智の研究室に届いた。差出人は業界でも悪名高い骨董商の安久津圭吾。不可解な思いを抱きつつも長野へ赴き、調査を始めた矢先、安久津は死体となって発見される。果たして面の呪いなのか? 写真だけが残された「喜人面」の実物はどこに?(表題作)
伝承は死なず、必ずよみがえる。
封じられた怨念は、深き業を糧に何度でも息を吹き返す――。
最新の民俗学を大胆に取り入れ、日本人の根源を容赦なく抉り出す。本邦初、本格民俗学ミステリー。
図書館で借りてきました。
3巻まで出てるはずなんですが、図書館には2巻までないようです。
先日紹介した「カカオ80%の夏」の続編もやっぱりないようでした。
うーん続きよみたかったんだけどなぁ。
連作短編集です。
『鬼封会』
『凶笑面』
『不帰屋』
『双死神』
『邪宗仏』
の5作が収録されています。
物語は、民俗学の研究者であり助教授の蓮丈那智とその助手・内藤三國がフィールドワークに赴くその先々で様々な事件に巻き込まれ、那智が事件を民俗学的境地から事件を解決していく話です。
表題作である『凶笑面』は2時間ドラマになっているんじゃなかったかな。
OPだけ見た覚えがあります。
正直なところ、私は神話の知識も歴史の知識も中途半端にしかありません。
民俗学の知識にいたってはこういう作品で手に入れたようなものしかないので、けっこう雰囲気で読んでました。
でも十分楽しめました。
那智と三國の関係性もけっこう好きでした。
『双死神』は冬狐堂シリーズの宇佐美陶子、名前こそ出ていなかったと思いますが、三軒茶屋のビアバーとか完璧、香那里屋じゃないですか。
私、冬狐堂シリーズは1冊しか読んだことないんですが、陶子がそこまで転落してしまったのかとか細かいところがどうなっているんか気になりました。
今度読んでみようと思わされますね。
私こういう同一作者の作品間のリンクって大好きです。
《税所コレクション》なるものの存在が語られていて、今後も関わってくるらしいことが仄めかされていますが、それが実現したのかどうかはわかりません。
シリーズ3巻までで語られている可能性もありますが、私には3巻を読めそうにないのでわからないなぁ。
3巻までで語られていなかったら本当にわからないままなんだなぁ。
そのうち2巻も借りてきて読んでしまいたいと思います。
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