docca 2/渡辺祥智
虹ヶ丘町の七夕は…ちょっと訳アリ☆
やっと馴染みはじめた「どっか」な出来事。
でも虹ヶ丘町にはもっと複雑なナゾが…?
軽妙洒脱!待望第2巻!
以前紹介した
作品の続編です。
裏表紙の幼少守屋先輩が
その向こうの向こう側のヴィリットにしか見えない。
目の色とかはさすがに違いますけどね。
【#6 あるひ】
まひるの日常を描いた話。
まひるはえっと母親のいとことそのおばあさんのところで下宿しているんです。
下宿の定員がどれくらいなのかもよくわかってませんが、とりあえず「どっか」からやってきた魔女・ムムさんが下宿仲間なようです。
まひるの弟・正午くんは体が弱いって設定ですが、そのうち遊びに来るんだろうなぁ。
でもこの感じだと本当に虹ヶ丘町が「どっか」と繋がっているってのは有名な話だったんですね。
まひるちゃんは世間知らずなのか……。
【#7 三丁目の勇者】
「どっか」からやってきた剣を抜く話。
まあ、この剣に関してはメロウから来たということがすぐわかるんですけどね。
ラーメン屋の前に落っこちてきたから、抜いた人にはラーメン1年間食べ放題券がプレゼントされることになったり、伝言ゲームがわけわかんないことになったりとグダグダな話。
メロウの英雄さん、わりと好きです。
この人、再登場しないかなー。
これくらいグダグダな話も渡辺さんらしいですね。
【#8 星の日】【#9 星の人】【#10 想像創造妄想】
七夕の話と先輩たちの過去が少し明らかになる話。
7月7日というのは虹ヶ丘町が「どっか」と繋がった日なんだそうです。
そして、「流れ星」によって犠牲者が出た日。
そうですよね。前巻でまひると八王子くんが見に行った「流れ星」はかなり巨大なもの。
あれがいきなり空中に現れ落ちてきたというのなら逃げられず犠牲になった人物がいてもまったく不思議じゃないんですよね。
そして、その事故現場に守屋先輩と星川先輩は居合わせていた、と。
星川先輩については、すごく悲しいとしかいえません。
守屋先輩が気付いていない仮初の平穏。これで守屋先輩が気付いてしまったときいったいどういうことになってしまうのでしょう。
今でさえ、かなり不安定なのに下手したら壊れちゃうんじゃ……。
さらに、烈花の過去もちらりと。
烈火の写真立てに飾られている写真にうつっているのは幼い烈火と博士ともう一人。
その人こそが「先生」であり、先生は「どっか」にいってしまったってことなんだろうな。
そして烈火は先生を探しに「どっか」に行きたいと。
この辺を読んで思ったのは「やっぱり」でした。
いや、今までの渡辺さんの作品傾向上、ただのほのぼので終わるわけないんですよ。
銀の勇者のアルしかり、funfun工房のピスターシュ王子とマリーしかり、その向こうの向こう側のヴィリットしかり、花全般しかり。
ぜったい、どこかで救いようのない悲しい出来事を入れてくるはず、と覚悟していたんです。
……それでもやっぱり重いし悲しいなぁ。
【#11 夏休み】
みんなで思い出作りをする話。
「docca」は虹ヶ丘町から外に出れないから、八王子くんのために海ごっこをするんです。
その光景自体はほのぼの平和な感じなんですが、星川先輩と守屋先輩の会話がすごく意味深。
前話で星川先輩の秘密が明らかになっているからこそ、そう感じるんだろうな。
この作品がどこまで続くのかわかりませんが、少しでも幸せな終わりを迎えてほしいです。
[2回]
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