ピースメーカー/小路幸也
僕らの<知恵>と<愛嬌>が学園を救う!?
赤星中学内で対立する運動部と文化部の架け橋となり、学何に平和をもたらす存在<ピースメーカー>。その実体は放送部の良平とケンちゃん――知恵と愛嬌の凸凹コンビだ!
これぞ小路幸也印!
ハートフルでちょっとノスタルジックな青春エンターテイメント
以前紹介した
小路幸也の作品です。
図書館で借りてきました。私、小路さんの作品て初期のものしかまともに読んだことがなくって、今回久しぶりに入荷していた作品を借りてきたのですが、こんな作品も書かれる方だったんですね。
短編連作です。
【一九七四年の<ロミオとジュリエット>】
【一九七四年の<サウンド・オブ・サイレンス>】
【一九七四年の<スモーク・オン・ザ・ウォーター>】
【一九七四年の<ブートレグ>】
【一九七四年の<愛の休日>】
【一九七五年の<マイ・ファニー・バレンタイン>】
【ボーナストラック】
が収録されています。
元々アンソロジーなどに収録されていた作品を加筆修正して1冊の本にまとめたもです。
各話タイトルが上記の通りだからなのか、年代に対する説明は特にされてません。
なので、各話タイトルをあまり気にしていなかった最初の方だとちょっと首を傾げてしまうことがあったのですが、それに気づいてからは納得しました。
私も中学時代1年ほど(転校してしまったので^^;)ではありますが、放送部に入っていたことがあったので、「LP? 音声だけ? カセット?」と。
その中学がかなり新しい学校だったということもあり、各教室へのテレビ放送だとかもできたので。
一九七四年ってことを考えれば、校内放送で映像が流れていたのは少数派だったのでしょうね。
放送部を実質取り仕切っている少年・良介。
その姉・みさきは赤星中学のOGで、当時放送部に所属し、運動部と文化部を結ぶ架け橋として活躍していたんです。
そんな<ピースメーカー>のあとを継いだ放送部のメンバーが校内で起きる様々な問題の解決に乗り出す、という話です。
おもしろかったです。
放送部という裏方を担うある意味特別な部活だからできたことですね。
ちょっと思ったこと。
沢本部長はほとんど部にでてこないわけですから、<ブートレグ>でミウちゃんが転校してくるまで良介とケンちゃんの2人で部を運営していたわけです。
お昼の放送くらいなら2人いればどうにかなりますよ?
アナウンサーとミキサーがいればいいわけですし、まあ頑張れば1人でもできないこともないです。
でもあれだけの企画を考え、精力的に動いていたことを考えるとよくもまあ、良介とケンちゃんの2人で活動できたな、と。
本当にすごいです。
物語としてはまだ続きそうですね。
ボーナストラックのやりとりを読む限り、バレンタインデーってこの頃はまだそこまで一般的じゃなかったんですね。
少なくても女子はともかく、男子中学生がわからないくらい。
なんかそういうところには時代を感じます。
まだ良介たちはまだ中学1年生。
学年があがり、新入生が入ってきてとかそういうのもみてみたいと思いました。
このままきれいに終わるのもそれはそれでいいかと思いますが、続編も読んでみたいな。
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