イスカリオテ 2/三田誠
七つの大罪を具現する<獣(ベスティア)>。彼らの脅威に対抗するために作られた特別指定教区・御陵市。
かつて英雄であった兄になりすまし、その街に降り立った久瀬イザヤは新たな危機に直面する。
陰惨な路地裏に佇む玻璃の姿。
真意の読めない枢機卿代行・カルロ。
得体の知れぬ新たな修道士の着任。
全てを裏返す新たな<獣>の脈動――。
第九祭器・ノウェムと共に難局にあたるイザヤは、さまざまな思惑に翻弄される。戦いの果てににイザヤが抱く覚悟とは!?
罪と罰は織りなすアイロニック・アクション、第2弾!
ずいぶんと久しぶりなイスカリオテです。
正直、細かな設定を忘れてしまっています。
新キャラが登場します。
あらすじにもある修道士・ラーフラ。
褐色の肌の少年で、異端審問官でもあるらしく戦力増強という建前ですが、『久瀬諌也』の存在と玻璃の体質について疑いをもつ上層部に送り込まれてきたというのが正確なようです。
この少年と玻璃のやりとりが可愛らしかったです。
そういうところは年相応なんですね。
ラーフラの役割が異端審問であるということは、ノウェムのように完璧な味方とはいえないのがちょっと残念。
こういう少年結構好きなんで。
そして、玻璃の中に存在する謎の妖女。
イザヤに力を与え、<獣>を引き寄せ食らうもの。
作中でも語られている通り、この妖女の正体は不明。
正体が明らかになるとき=物語も終盤なんでしょうね。
今回のメインはイザヤの葛藤といったところでしょうか。
イザヤはどこまで頑張っても偽者でしかないわけです。
カルロの手によって用意された偽者の偶像。
英雄を信じたい人々にとってのよりどころというか。そんな感じ。
「記憶喪失」とか「空白の2年間」とか明らかにおかしいところがあるにも関わらず、『久瀬諌也』の存在を疑うものが少ないですからね。
イザヤが本物にたいして思うところがあるのは当然だし、ああいう思考に陥ってしまうのは当然のことなんだろうな。
ノウェムみたいな「イザヤ自身」を信じてくれる人がいるってことが、大事なんでしょうね。
ちょっと意地の悪いことを考えてしまったのですが、もし本物の諌也が生きていたとしたら?
そしてノウェムの前に現れたら……、ノウェムはどういう行動をとるのでしょう。
今回は謎が謎を呼ぶというか、明らかになったことはほとんどありません。
ていうか、レンタルマギカのいつきといい、自己を犠牲にしすぎな気がします。
力に対する代償が大きすぎるんですよね。
まあ、こういう話嫌いじゃないんでいいんですけど。
次巻もそのうち読んでしまおうと思います。
というか、残り2冊買わないと。
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