少年陰陽師 愁いの波に揺れ惑え/結城光流
時は平安。何日も止まない雨のように、昌浩の思いは晴れない。
そんななか斎宮が倒れ、異変がつづく伊勢から、天照大御神の依代として、帝の娘・脩子を連れてくるように天勅がくだった。
帝は、晴明と安倍家の娘である彰子に、脩子といっしょに伊勢に行って欲しいと言い出す。その直後、都では地震が起き、金色の龍があらわれた。昌浩は紅蓮とともに、龍を倒そうとするが――!? 激動の玉依編、第二弾!!
そういや少年陰陽師って最初の何作か紹介してないんですね。
記事数とあとがきにあるシリーズ通算何作目かってやつで思い出しました。
今回もまた昌浩は肉体的にはボロボロになってません。
でも精神的には昌浩はもちろん、彰子も結構ボロボロですね。
今まで気にしないようにしてきた出来事が今になって表層にあらわれてきているのですね。
今巻も比較的平穏ですね。
嵬と雑鬼たち、昌浩と敏次殿のやりとりだとか。
でも、不穏な雰囲気もひしひしと伝わってきます。
まずは、地震。
京都って地震少ないんですか?
ちょっとその辺くわしくないんですが、地震の少ないはずの京都で頻発する地震。
その地震に関わっているらしき、金色の龍。
金色の龍は地龍。
龍脈といえばわかるでしょうか。
その力が噴出すところが、龍穴であり、それはパワースポットなんかと呼ばれているもの、って解釈であってるかな?
それを元から絶つわけにもいかず、どうすべきか悩んでいるところに冥府の官吏がやってきて、一時的におさまるわけですが冥府の官吏が残した言葉が気になります。
「鬼に堕ちる」。
昌浩の状況が危ういのは冥府の官吏から見ても明らかなんだろうな。
彰子が伊勢に行くことを了承してるわけですが、傷ついていたのは昌浩だけじゃなかったんですね。
珂神編で目の前で彰子が攻撃されたことに傷ついたのと同じように、彰子もまた傷ついていた、と。
というのも、窮奇編で彰子は異邦の妖異に操られて昌浩を刺しているんですよ。
それをずっと抱えていた、と。
お互いがお互いをすごく大事に思っているからこそ空まわってしまうのでしょうね。
彰子よりも昌浩の方がすごく危うい感じですが、昌浩はちゃんと留まれるのか……。
玉依編はあと3巻。
これからどんどん辛い展開になってくると思うのですが、すごく楽しみです。
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