アイスクリン強し/宇野ジニア(原作/畠中恵)
主人公・皆川真次郎。職業・西洋菓子職人!
築地の居留地で孤児として育った皆川真次郎は、夢だった西洋菓子店「風琴屋」をひらいた!
チヨコレイト、アイスクリン、ゼリケーキ……
夢のお菓子を次々と作り出す日々のんか、元幕臣の愉快な仲間たち「若様組」や、みんなのマドンナである小泉商会のご令嬢・小泉沙羅が毎回騒動に絡んできて……!?
明治スイーツ文明開化、マンガで華やかに幕開け!!
畠中恵さんの
アイスクリン強しのコミカライズです。
漫画自体は数日前に読み終わっていたのですが、原作文庫版を読み返していたので時間がかかってしまいました。
収録されているのは全部で4話。
『チヨコレイト甘し』
『アイスクリン強し』
『ゼリケーキ儚し』
『沙羅さんのドレス』
です。
原作にあった
『シュークリーム危うし』『ワッフルス熱し』はカットされています。
『沙羅さんのドレス』は畠中さんが漫画のために書き下ろした完全新作らしいです。
すごい読みたい。
これが文章として世に出回るとしたら
若様組の文庫化の際とかでしょうか。
でも文庫に収録しようにも本編自体でも十分分厚いだろうから難しいかなー。
小説の情報量をすべて漫画にするというのは大変難しいことです。
アニメなんかでもそうなんですが、すべてを詰め込む訳にはいかないのでどうしてもカットされてしまうシーン、そのカットしたシーンがないために起こる矛盾を解消するための改変などなど。
どうしてもそういうことが起きてしまうんです。
どれだけ原作に忠実に描かれたコミカライズでも少なからずそれはあります。
まあ連作短編のうち2話(+序)を抜いてしまっているんですから仕方のないことだとは思うのですが、この作品はそれが顕著です。
原作を読んでいないと理解しきれないというか。なんとなく雰囲気で読むしかないのかな、と。
あらすじでは「華やかに幕開け」とあり続きそうな感じなんですが、実際にはこれ1冊で終わりのよう。
無理に1冊にまとめないで2冊にして
『シュークリーム』や
『ワッフルス』なんかも描いてくれたらよかったのにと思ってしまいました。
というか、園山さんが気になって仕方ない身としてはですね、園山さんが全く危険視されていない漫画版はちょっと寂しいと思ってしまいました。
あれじゃあ、ただの美男子だよ……。
あと沙羅さんのリボンの話はちゃんとやってほしかったなぁ。
物語的には、原作の続きが非常に気になる形で終わっています。
沙羅さんが本格的に小泉商会を継ぐことを表明し、ミナには留学の、長瀬には出世の話が持ち上がっていると。
いつまでもワイワイやっていてほしいと思う一方、そればっかりじゃいられないんですよね……。
文庫の解説を読んで気付いたんですが、ミナの名前は“皆川真次郎”。
『次』ってことはもしかして、お兄さんいるの?と。
一瞬考えてしまったんですが、しゃばけでものお兄さん出してましたしさすがにこっちではやらないか。
若様組の漫画化、原作の続編を期待しています。
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