ゴーストハント 5 鮮血の迷宮/小野不由美
血の……臭いがする
複雑怪奇な洋館に隠された恐るべき秘密
増改築を繰り返し、迷路のようになった幽霊屋敷へ集められた霊能者たち。シリーズ最大の恐怖がSPRを遅う!
ゴーストハントシリーズ第5弾。
「助けて」「死にたくない」
増改築を繰り返し、迷路のような構造を持つ巨大な洋館。地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者が招集された。複雑な内部を調べていた麻衣たちは、館内に空洞があることに気づく。次々に姿を消す霊能者たち。やがて明らかにされる館の血塗られた過去。
図書館で借りてきました。
相変わらず人気があるようでなかなか借りられません。
このシリーズ、正直なところあまりよく知らなかったんです。名前くらいは知っていたし、古本屋でコミックを1、2冊読んだことがあるな、程度。
ツイッターなどで怖い怖いとは聞いていたんですが、今までそう怖さを感じなくて。
4巻のヲリキリ様でちょっと怖いなと思う程度だったです。
5巻は文句なしに怖かったです。
この作品って麻衣の目線で物語は進む訳ですが、今回の麻衣の体験はめちゃくちゃ怖い。
あ、そっか。麻衣の視点で進むから徐々に怖くなっていくのも道理なんですね。
はじめのうち、麻衣はただ巻き込まれただけの一般人でしかないんですよ。
だから麻衣が経験するのも、校舎崩壊の危機とか見間違いとかそういうのだったわけです。
が、物語が進み麻衣の能力が開発されてくるに連れ、霊現象(というかホラー?)が多くなってきた。だから麻衣の視点で物語を読み進める私たち読者にもダイレクトに恐怖が伝わるってことなんですね。
納得しました。
今回の舞台は、山奥にある不可解な洋館。
増築のための増築を重ねたその全容のしれない屋敷で物語が進んでいきます。
あらすじに「20名の霊能力者」とあるんですが、あんまり印象に残っている人いないなぁ。
まあ、SPRだけで8+1人もいますからね。
モブにページ数を割くわけにもいかないのでしょう。
事件を解決するためにみんなでああでもないこうでもないと言い合っているのはいつも通り。
ただし、今回はナルが替玉で。前巻で登場した安原さんがナルの影武者をつとめ、ナルは鳴海なる架空の所員を演じます。
安原さんはあのまま退場してしまうには惜しいキャラでしたからこういう形でSPRに関わっていくのならうれしいかも。
なんというか、安原さんって本当に頭いいなぁと思って読んでいました。頭の回転が良く、人当たりもいい。調査にもってこいな人物ですよねー。
前巻を読んだときに「ナルの説明する陰陽道って大陸っぽい」とか書いてるんですが、あながち間違いじゃありませんでしたね。リンさんは中国人で、陰陽師というよりは道士になるようなので。
リンさんと麻衣のやりとりがなんだか好きだなぁ、と。これをきっかけに少しずつ仲良くなっていけばいいなと思いました。
実は伏線らしきもの盛り沢山なんですよねー。
森さんの存在もそうだし、ナルが森さんの依頼とはいえディヴィスの偽者について調べたのも若干腑に落ちないし。
真砂子を探すときにナルが真砂子の櫛を持っていたこともちょっと気になりました。
あと2巻だからそろそろ風呂敷をたたみはじめているってこともあるのかもしれませんね。
サイコメトリストだけじゃなく体外離脱もちょっと首をかしげてしまいました。
ようは幽体離脱ってことですよね。体外離脱ってはじめてきいたかもしれません。
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