十十虫は夢を見る 3/幹元ヤエ
昭和4年、東京にある喫茶『十十虫(てんとうむし)』。
そこにはどうやら"予言の力を持つ少年"がいるらしい。
彼を頼ってやって来る人達の悩みとは…?
珈琲党の高校生・高月と柔道家の娘・美和子が紡ぐ、昭和モダン・ファンタジー、絶好調の第3弾!!
この間買ってきた「十十虫」です。読みは「てんとうむし」ですが、造語ですから変換できるわけもなく。
毎回「じゅうじゅうむし」って打つのが若干面倒なので単語登録してしまおうか……。でも、そこまで多様する言葉でもないし、いいかな?
幹元さんの作品も3作目なのでカテゴリ作りますね。
【第11回 大事な友達】
【第12回 記憶の漣】
【第13回 三つの鍵】
【第14回 "あの日"を見つけて(前編)】
【第15回 "あの日"を見つけて(後編)】
が収録されています。
11話として収録されている
【大事な友達】は2巻に前後編をきりよく納めるために省かれた話なんだとか。
そのため、時系列がちょっとおかしなことになっているようですが、まあそこまで気にすることじゃないですね。
【大事な友達】は美和子の友人・ユキヱちゃんがゲストキャラ。
いくら美人とはいう設定だとはいえ10歳の子供に手を出そうとしたロリコン医者にはもっと罰を与えても良かったんじゃないかなんて思ってしまいました。
あとはそうだな、高月くんに粉かけてるのは美和子への意地悪目的だってのはすぐにわかりました。
正直、ユキヱちゃんはあんまり美人に見えませんでした。
【記憶の漣】に人妻・世津子さんが登場してるんですが、ゲストキャラの中で世津子さんが一番かわいい。
てかこの夫婦がかわいいんですね。
はた迷惑な夫婦だけど、こういうのもたまにはいいですね。
【三つの鍵】は高月くんの従妹・蕾花が登場しているわけですが、すっごい百合っ子でした。ええびっくりしました。
まあ、百合といっても在学中だけの疑似恋愛ってことなんでしょうが。
この蕾花さん。実は高月くんの腹違いの妹なんだとか。
2ヶ月違いで生まれた2人ですが、高月くんのお母さんはお妾さん、蕾花は本妻から。
この時代ならありえるんでしょうが、ぜったい揉める組み合わせですよね。
せめて男女逆ならそうでもなかったんでしょうけど。
秘密を打ち明けたことで美和子とちょっと距離が近づいたかな、って話でした。
【"あの日"を見つけて】は読んでいて悲しくなりました。
震災時以前の記憶をなくした少女ユキがゲストキャラ。
ユキの無表情は今だとちゃんと病気(PTSDとかになるのかな?)として理解されるんでしょうけど、当時じゃ無理な話ですよね。
喫茶とカフェーの違いとか全然知らなかったので勉強になりました。
お父さんの判断もわかるけど、ユキこと結衣子の気持ちもわかるわけで。
戦争時の上野の象とかと通じるものがあるなぁと思って読んでいました。
まあ、こちらが天災が原因であるのに対し、上野は戦争――人災が原因ですから比べちゃいけないのかもしれませんけどね。
きちんとお父さんのもとに戻れてよかったです。
あとがきで能美くんやモモの存在に触れられているんですが、モモはともかく能美くんって初期のみのゲストキャラだと思っていたのですが、準レギュラーキャラになるんですね。
ちょっとびっくりしてしまいました。
次巻は年明けくらいかな?この作品、発売されていることに気付きにくいので気をつけていなければ。
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