怪物王女 2/光永康則
誓え、血の忠誠を。
血の戦士として、姫に仕えることになったヒロ。
そして彼は否応なく王族の熾烈な闘争に巻き込まれていく。
その闘争の中、彼はさまざまな異形の者たちと出逢う。
人狼族、吸血鬼、人造人間・・・・ある者は味方、ある者は敵として・・・・
彼らとの出逢いが彼の心に様々な影響を与えていく。
そして、ヒロは自分には戻る道がすでに無いことを知る。
だが、「姫」との戦いは、絶えることなく続くのだ。
久しぶりの怪物王女です。
1巻を紹介したのが4月のことですから結構あいてしまいましたね。
【第6話 同盟王女】
妹姫・シャーウッドがやってくる話。
王族の兄弟が殺しあい、残った1人が王座につく。
その戦いにおいて、幼いとしかいいようのないシャーウッドは圧倒的に不利。
だから「同盟を組みませんか?」とやってきた、と。
その提案はにべもなく断られてしまいます。まあ、それも計算のうちだったらしいのですが。
シャーウッドが仕込んでいた食人植物(トリフィド)を倒すため、屋敷を爆発させているわけですが、こういうのを見ると王族のお金の出所が気になってしまいます。
姫はシャーウッドに情けをかけたのか同盟を組むことを受け入れますが、シャーウッドは自ら命を絶とうとします。
それをヒロが助けたものだから、シャーウッドもヒロを自分の血の戦士にしようとしてこの話は終了。
フランシスカ(シャーウッド付きの人造人間・メイド)もやっぱり「ふが」しか言わないんだよなぁ。
なんでだろう。
【第7話 血統王女】
吸血鬼・令裡が登場する話。
ただのヒロの高校のちょっと変わった美人の先輩かと思いきや、その正体は吸血鬼。
彼女は吸血鬼ですから、王族の血の味が気になると。
だからこそ、組みしやすいヒロから姫に近づいていこうとしていたのです。
なんでそんなまだるっこしいことをしたかというと「吸血鬼は招かれなければ家に入ることができない」という決まりというか条件?があるらしくて。
内部瓦解というか、“招かれる必要のない自分の家”に吸血鬼化したヒロを戻すことで姫の血を手に入れようとしていたということらしいです。
吸血鬼から元の人間に戻るためには、噛んだ本人の血液かが必要になるのですが、リザは令裡を逃がしてしまいます。
令裡を見つけるより先に血の効力が切れてしまうである状況で、姫のあの行動には驚かされました。
リザがヒロを気に入っているのはわかっていましたが、姫もちゃんと思うところがあるのだなぁ、と。
【第8話 殺戮王女】
血の戦士と化した人狼が襲ってくる話。
リザ曰く、人狼は1つしかない命をどう散らすかで価値が決まるらしく、人狼族が血の戦士となることはふざけたことなのだと。
血の効力が切れるまで殺し続けることでどうにか撃退するのですが、そこで令裡に示されたのは「過去にいたであろう血の戦士」の存在。
現在、姫にはヒロ以外に血の戦士がいないからの推測なわけですが、この辺の話って明かされてましたっけ?
姫って敵には情け容赦ないけれど、見方にはすごく甘いからそういうことがあったとしても事情があったんだろうなぁ。
【第9話 追憶王女】
自由をしる人造人間の話。
怪獣のバラードが冒頭で出てくるのですが、この話のモチーフはそれ。
一度くらいは合唱で聞いたことがあるのではないでしょうか。
30年近く旅を続け、自由をしる人造人間・シエル。
彼とフランドルのやりとりはなんとなく微笑ましいというよりも物悲しかったです。
シエルの記憶はすべて作られたもの。
全ての黒幕は笹鳴病院を支配する吸血鬼・ツェペリ。
彼の目的は姫だったわけですが、すごく可哀相でした。
【第10話 密室王女】
嵐のモーテルの話。
閉じこめられた人間たちが次々と殺されていく訳ですが、姫たちは助けようとはしない。
ヒロは怪物の存在を知り、一人でどうにかしようとするわけですが、どうにか出来るわけもなく。
最終的には姫たちが怪物を倒して終わり。
ヒロが人を助けようとしたのは、性格的な問題なんだろうなぁ。
彼はあくまでも小市民的な一般人だから。
だからこそあの兄ちゃんが「オレごと殺せ」といったのに対して躊躇ってしまったんですよね。
まあ、仕方ないことですね。そういう状況で殺せるようになったとしても成長といっていいのか微妙ですしね。
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