エニグマ 7 トゥルーエンド/榊健滋
ドクロを欲するカニバルの正体と、その目的とは!?
窮地に立つスミオ! 喰われた仲間達の救出は!? そして戦慄の真実が明らかに!!
スミオは全員の運命をかけ、最後の煙害をドクロに告げる…!! 衝撃の完結巻!!
最終巻を迎えたエニグマです。
正直、e-test編で終わった方がよかったんじゃないかな、と思わされる話でしたし、細かな点にはいろいろとつっこみたかったですけど、続きが気になるという点ではなかなかおもしろい話だったと思います。
【e52.コフィン】【e53.パスト】【e54.アイランド】【e55.トワイライト】
VSカニバルの続き。そして、真実があかされます。
仲間たちを食べることでその容姿や能力を利用していたカニバルこと咬田シメイ。
シメイの腹の中で仲間たちは能力を使い、シメイの目的を探します。
タケマルさんの逆再生で綺島を元の状態に戻し、綺島の能力で消化する力を持たないコピーの部屋を作り一時的に避難します。
そして、すべてのものに首がないという異様さ、カニバルが記憶を失っていることに気づいた彼らは手がかりを求めて部屋中を捜索します(主にモトくんとひいなさんですね)。
ひいなさんが見つけたデジカメ。その中のデータのなかに入り込んだクリスたちは過去の出来事をかいま見ます。
シメイは元々、夕闇高校のオカルト研究部のメンバー。
紳士であり、キリと綺島の父である忌塚ギドウとスミオの父の3人で、様々な研究をしていたのだとか。
その研究の中には、エニグマ(というかドクロ)の研究もあって。
ギドウは危険性をうれいて処分しようとしたものの、幼いキリの身代わりとなって、シメイは次代エニグマの生け贄になってしまうんです。
シメイはエニグマの力を欲しがっていたのではない。
自分の頭を取り返したかった、と。
物語の真相としては、よかったのではないでしょうか。
なぜ数奇がカニバルに喰われていたのかとか(ユニークな才能を持つわけでもなく第2幕開始直前の病院に呼ばれていたわけでもないのに)、10年以上前のデジカメってあんなんだったっけ?とか、静止画のはずなのにクリスのFLATで入り込んだ世界は動画ってどうなの?とかいろいろありますけどね。
そして、スミオはドクロへ願います。
「誰も犠牲にせず俺達のいる世界からいなくなれ」と。
その願いが叶い、ドクロのなくなった世界では灰葉親子が平和に暮らしており、スミオの幼なじみは数奇に。
ひいなさんとまお、みさき(第3回e-test参加者)が友人になっており、会長は会長のままだけどクリスが副会長で多分同学年に。
ピットくんが野球部のマスコットで、アルはマネージャー?
タケマルさん、弓川先生、綺島の関係は相変わらずっぽい。
そして、しげるは隣のクラスの風紀委員と。
記憶を失い、関係性も変わってしまったスミオたち。
スミオの前に全てを覚えているらしいキリが現れたところで本誌連載は終了。
【e56.トゥルーエンド】
エニグマのいなくなった世界で記憶を取り戻す話。
NEXTに掲載された完結編です。
扉絵はカラーで人気投票の結果発表もかねていました。
コミックでは扉絵の3名しかわからないですね。
NEXT買ってない人のために一応下記が順位です。
1位スミオ、2位クリス、3位数奇
4位会長、5位アル、6位キリヲ、7位タケマルさん、8位ひいなさん、
9位しげる、10位モトくん、11位綺島、12位紳士、13位エニグマのマーク、
14位玄岩ゴウゾウ(看守老人の方)、15位カニバル、16位弓河先生、
17位御手洗キヨシ、18位まお、19位灰葉みな、20位赤目ツトムです。
発表は順位のみです。得票数は発表されていません。
こうあらためて順位をみてみると女性陣の人気がない。そしてそれより下のモトくんがかわいそうで(笑)
さて、本編。
スミオの願い「誰も犠牲にせず……」ってのは2つ目の願いだったんです。
エニグマがかなえる願いは3つ。スミオの3つ目の願いは「誰の記憶も失わないこと」。
しかしながら、本誌最終話を見る限り、その願いはかなえられているとはいえません。
エニグマへの願いというだけあってやっぱり試練があるんですね。
すべてのはじまりであった夕闇高校の学校祭。そこで最後の試練がはじまります。
ただ1人記憶を持ち越しているキリがスミオ以外の皆を集めるものの、お互いの顔を見ても記憶が戻ることはありませんでした。
キリとしげるだけが残った食堂ホールに鉄パイプが落ちてくるんです。
それを見て、しげるの脳裏に浮かんだ情景。
それはしげるとスミオがe-test6つ目のパスのときに串刺しにされるというもの。
実際には皆の力でクリアしているのでそんなことは起きなかったのですが、その情景をかいま見たことでしげるに記憶が戻ります。
記憶を取り戻す条件は、夕闇高校七不思議を体験すること。
校内7箇所に7人の幽霊が出現する場所があり、その幽霊7人にあうと「忘れ物」が体育館に戻ってくる、というものです。
一見簡単そうですが、幽霊にあうと錯乱してしまうというリスクもあるようです。
第一の噂「串刺しの生徒」…スミオとしげる
第二の噂「シャワー室の水死体」…ひいなさん
第三の噂「消える生徒」…モトくん
第四の噂「焼却炉の生徒」…会長
第五の噂「失踪した殺人者」…クリス
第六の噂「屋上のバラバラ死体」…アル
第七の噂「旧校舎の迷路」…タケマルさん
それぞれが自分の関係した試練の追体験をして記憶を取り戻していきます。
ページ数の関係上仕方ないのでしょうが、かなりさくさく進みます。
7人が記憶を取り戻したからなのか、数奇や綺島、親世代3人も同じく記憶を取り戻します。
キリも居場所を手に入れて大団円。
竹串にマシュマロ刺しているタケマルさんににやけてしまいました。
【エピローグ】
スミオの両親の馴れ初めと鵺神様の話。
スミオの女の子に対する姿勢は父親譲りだったんですね。
やってることおんなじですよ。ただ、スミオはまだ運命の人に気付いていないからなのか、多くの女子にアプローチしているってことか。
夕闇寺――
6巻の合宿エピソードで語られた鵺神様。
ドクロのなくなったこちらの世界では、2人は仲むつまじく生涯をまっとうすることができたんだとか。
180年長すぎるときを生きることなく死ねたってのはよかったんだろうな。
途中ぐだぐだしてましたが、終わり方としてはすっきりしていてよかったと思います。
ただ本誌連載しか読んでいない人には中途半端すぎますけどね。
単行本読まないとすっきりはできないかと思います。
【特別読切 大正警察活劇百獣夜行】
合成麻薬・浪漫薬を取り締まる獣使警官・竹久九段と虎のしいらの話。
増刊に掲載されたものなんですが、これ部屋にありました。
D.Gyay‐manの下敷きとか挟まったままでしたよ(笑)
主人公の上司というか後見人?である四谷外骨さんですが、正直、ギドウっぽい。
結構おもしろかったです。
私は普通に好きですが、あまり人気なかったのかな?
本誌デビューはエニグマでいきなり連載ですからね。
まあREVOLUTIONって人気作家というかベテランの読みきりが多く掲載されていたような記憶があるから、それには勝てなかったってことなんだろうな。
榊さんの次回作もまた楽しみです。
早ければGWのNEXTあたりかな?期待しつつ待ちたいと思います。
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