Unknown(アンノウン)の魔導書/師走ゆき
世の中に妙な出来事を引き起こす、未知の存在=悪魔。
現代悪魔学の教授・榊原と、その研究室に棲みついている悪魔・アノンのもとには、今日も不思議な悩みを抱えた人々が訪れる!! 息子が“半年間、一睡もしていない”という父親が現れ、何とかしてほしいと頼まれるが…!?
昨日買ってきたものを早速ですが、紹介したいと思います。
師走ゆきさんの既刊である
不老姉弟の特別編も収録されているので一応そちらの感想もリンクはっておきます。
本編1~4話、前述の通り不老姉弟特別編、受賞作(多分アテナ新人賞大賞だと思われ)海賊姫が収録されています。
本編はあれですね、花ゆめ系でよくある短編+短期集中連載3回のやつ。
まず、
Unknownの魔導書本編について。
前作を読んだときも思ったのですが、この方の作品ってあまり少女漫画らしくないんです。
恋愛要素ほぼ皆無だし。あっても主人公たちではないんですからあるうちに入らないというか。そんな感じ。
女の子何人もでているのに1番かわいいのが1話の和(わする)くんだと思うんですから余計です。
この作品を読んだ私の第一印象は「
ほけがみ?」でした。
あらすじにもあるとおり、榊原とアノンのもとに悪魔に憑かれた人々がやってきて、悪魔の正体を探っていく過程を描いた物語です。
一番最初に、悪魔の設定が病魔に似てるなーって思ってしまったのがいけなかったんですね。
1話目の「現実逃避」の造形が病魔にいそうなのが余計いけない(笑)
名前もふつうにありそうだし。
だって「現実逃避(様々なことをわすれてしまう)」に「残留思念(奥さんが2人になってしまう)」、「自己顕示欲(赤ちゃんになってしまう)」そして「疑心暗鬼(人が悪魔に見える)」ですよ?
アノンとピットはともかく、他はルビ振ったらほけがみにもふつうにいそうで、そうとしか見えなくて……。
物語を純粋に楽しむことが出来なくて残念でした。
次、
不老姉弟。
冒頭の大輔をベットに縛り付けているシーンで噴いてしまいました。
やっぱりこの姉弟はぶっ飛んでるなぁ。
心臓と心をかけて、登場人物たちはいい話なノリなんですが、かなりシュールです。
この姉弟はきっといつまでも本人たちは大真面目に他人を驚かせつつ生きていくんだろうなぁ。
最後、
海賊姫。
ごめんなさい。正直、おもしろいと思えませんでした。
海賊から成り上がった貴族の娘・ジルが主人公。
父の武勇伝を幼いころから聞いていたために、自分もと願うんです。
そのための協力者としてサリヴァンを雇い、海へ出て宝を目指すが――、って話。
男勝りのジルに振り回されてサリヴァンが苦労しているんですが、惹かれて行き最後には子煩悩の父親からジルを奪っちゃうんです。
が、ジルに魅力が感じられないのでどうも納得できないというかそんな感じ。
読んでいて違和感があるなぁと思っていたのですが、私ジルのドレスが納得できなかったんですね。
男勝りで戦いも暴れるんですから、どうせなら男装くらいしちゃえばいいのになー、と。
この方はまだデビューしたばかり。花ゆめ系ってあまり少女漫画らしくないものってけっこうあるし、それなりに受け入れられると思うんです。
これからの活躍に期待したいと思います。
[0回]
COMMENT