七つの封印 9 異界への扉/カイ・マイヤー(訳/山崎恒裕)
キラは南イングランドへ旅立った。
そこはアーサー王の出生地。
殺伐とした荒野に、魔力の気配がただよう。
その地で訪ねた魔女博物館で、キラは謎の女性と出会う。
彼女は真っ赤な巻き毛だけでなく、目鼻立ちまでキラにそっくりだ。
その女性がキラに力を貸してほしいと言う。
事態は緊迫している、壮絶な戦いがせまっている、と……。
女性はいったいなにものなのか?
空飛ぶじゅうたんに乗せられたキラは、どこへ導かれ、いかなる戦いに巻きこまれるのか……。
図書館で借りてきました。
物語ももう終盤(というか次が最終巻)のはずなんですが、終わりそうな雰囲気がないのでちょっと不安です。
あらすじにもあるとおり、今回は南イングランドが舞台です。
下敷きにアーサー王伝説があるんですが、正直全く詳しくないのでちんぷんかんぷんでした。
さすがに『円卓の騎士』とか『エクスカリバー』くらいは知ってますが。
脳内に伝説の剣云々よりも先に
ソウルイーターのエクスカリバーが出てきたあたりはなんだかな、って感じでしたけど。
あと、ジークフリートで一番最初に出てきたのは
RAVEでした(笑)
閑話休題。
いつも基本的に4人セットで行動していた子どもたちですが、今回キラは1人で行動しています。
いつものごとく、キラのパパ・ラーベンソン教授の発掘現場にお邪魔するんですが、キラだけ先発するんです。
それは2人だけの時間を作り、ママのことなんかを聞きたかったから。
まあ、それに関しては上手くいっていないんですけどね。
そのため、遅れて出発したクリスたちはキラの元へ向かう途中で足止めされてしまい全く活躍していません。というかむしろ合流すらできずに終わってます。
前々から言われていた通り、
外伝の主人公であるデーア、キラのママが登場します。
そして予想通り、デーア=キラのママでした。
これってあまりにもあからさまだったので、作者は隠すつもりはなかったのかな。
まあ、これに関しては作者より訳者が悪い気がしますが。
この作品、最後に「訳者あとがき」があるんです。その巻の話だけで終わらせればいいのに何故かそこでその後の話をしてるんですよね。
「デーアが9巻で登場する」「ママが登場する」みたいな話も確か訳者あとがきだったはず。
デーアはともかく、ママは死んだことになっているのになぁ、とちょっとしょっぱい気持ちになってました。
デーアが生きているのに、キラたちに七つの封印が受けつがれた理由。
アルカーヌムの三人の母たちの正体なんかが明らかにされてますが、正直「へーそうなんだ」程度。
というか、これ児童書だよね? アーサー王伝説を理解している子どもってどれだけいるんだろう……。
上にあげたキーワード程度ならともかく、モルガーナもニムエも知らなかったです。
これもまたお国柄なのかな。まあ、アーサー王伝説はイギリスでこれはドイツの作品なのでまた違うのかもしれませんが。
散々引っ張ってデーアを登場させたのに、想像していたのとなんか違いました。
親子で強力して敵を倒す的な展開になるのかと期待していたのにそれともなんか違うし。
これだとデーアが敵を倒すためにキラの魔力を利用しただけにしか見えないんですよね。
うーん、なんかもったいない。
というか魔女で空飛ぶのにやどりぎの枝とじゅうたんってどうなの?
確かにイングランドでケルト云々の話が出ていたのでやどりぎはわからなくはないんですけどね。
まあ、この作品における魔女の概念は結構特殊なのでそれでもおかしくはないのかなぁ。
前述の通り、次巻最終巻。
すっかり忘れていたんですが
4巻で登場した月男はフラグたてたまま放置されていたんですよね。
この感じだと月男を退治してジャンプの打ち切り漫画みたいな展開(○○達の冒険はまだまだ続く!みたいな?)になってしまいそうで怖いです(笑)
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