隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。
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45の密室トリックを発表した推理小説の大家、真壁聖一が殺された。
密室と化した地下の書庫の暖炉に上半身を突っ込むという悲惨な姿であった。
彼は自分の考えた46番目の密室トリックで殺されたのか?
推理作家・有栖川有栖とその有人で犯罪学者・火村英生のコンビが怪事件の謎に迫る!
新本格推理小説。
有栖川有栖さんの代表シリーズといえば、「学生アリスシリーズ」と「作家アリスシリーズ」ですが、これは記念すべき「作家アリスシリーズ」の第1作。
基本的に有栖川さんの作品は目につくまま読んでいるので、これが第1作だと読み終えるまで知りませんでした。
学生アリスシリーズは、作家シリーズとの関係性くらいしか知りません。
ちょっと古すぎるからなのか図書館にも本屋にもなく。
去年一昨年?くらいに発行された女王国の城は図書館にあったのですが読むのを断念しました。
時代背景が80年代であり、自分の生まれる前の話って想像が付けにくく読むのに抵抗を覚えてしまったんです。
あの分厚さもありますし、とてもじゃありませんが忙しい時期に1週間で読めなかったというか……。
でも、建築探偵シリーズの過去編や、創竜伝とかは普通に読んだんで年代は関係ないのかな、とも思いますが;
1992年ノベルスで刊行されたものの文庫化作品。
文庫化は1995年です。
さて、作品の感想を。
やっぱりおもしろいってのが第一印象でした。
比較的古い作品ではあるのですが、あまり違和感なく読めました。
少し、「ん?」となるところはあったのですが、そこまで気になるようなものではありませんでした。
作中での語り部・アリスが火村先生と一緒に真相にせまるというのはシリーズの基本コンセプトなんですが、アリスが空回りというか間違った推理をするのはいつもどおりですね(酷
けど、要所要所でちゃんと役にたつことを言ってるのでなんとか面目を保たれてはいます。
茶色のサンタクロースなる謎の人物は登場し、パーティーの間に招待客の部屋に施された数々の悪戯。
いったい誰が施したのか、そして何の意味があるのだろうか、と作中の人物たち同様首を傾げてしまいました。
45という多くのの密室トリックを作ってきた大御所が密室にて殺され、しかも46番目の密室トリックメモは燃やされたらしい……。
もしかして、46番目の密室で殺されたのか?、という推理小説ファンとしてはなんとも心躍る話です。
密室の作られ方はいくつかに分類されるというのを、何かで読んだ覚えがあります。
氷川透さんの作品だった気がするのですが、何年も前だったのであんまり覚えてないです。
ラスト、ほのめかされた犯人の秘密が若干抵抗を覚える人がいるかもしれませんね。
けど、気にならない私にはすごくおもしろい作品でした。
作中では犯人の胸のうちに秘められ、公表されることのないであろう、46番目の天上の密室。
いつか有栖川有栖さんの作品として発表されることを楽しみにしています。
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