世界平和は一家団欒のあとに 4 ディア・マイ・リトルリトル・シスター/橋本和也
家族全員、不思議なチカラを持ち、なぜか世界を巡る危機に巻き込まれ、それを解決しなければならない星弓一家。
その長女、星弓彩美。炎や風の魔法を操り、運び屋なる怪しげな仕事を生業とし、家事もこなせるしっかり者。しかし酒癖が悪いのが玉に瑕。そんな彼女がいつものごとく二日酔いのある日、なぜか十歳ほどの子供の姿に大変身。そのプリティーさに周囲は沸き立つが、でもいったい彼女の身になにが!?
その原因を探り、元に戻すべく軋人は調査を開始するが、かつて彩美が関わった世界の危機に関係があるようで――。
今回のテーマは姉弟愛!?
ちょっと間のあいてしまった橋本和也さんの作品です。
私が持っているのって初版なんですが、2つほど間違いを見つけてしまいました。
1つはルビの間違い(全額にきんがくってルビが。わからなくもない間違いですね)。
もう1つは口絵の登場人物の紹介文がお母さんと柚島ちゃん逆なんですよねー。
一瞬、気づかないで読み流してしまうところでした(笑)
今回のメインは、あらすじにもある通り、星弓家長女・彩美。
25歳の彼女がまさかの幼女と化してしまう現象がおこります。
物語は、現在の状況を解決しようと奮闘する軋人たちの様子と、彩美が過去に関わった魔女の話が交互に進んでいきます。
おもしろかったです。
不器用な彩姉も、記憶やら何やらが混乱してしまって精神的にも幼くなってしまっているのも非常に可愛らしかったです。
主人公であるはずの軋人の影が若干薄い。
まあ、このシリーズってもともとそういう面があるんですけどね。
兄弟姉妹のキャラが濃いので、比較的普通である軋人はのまれがちです。
だから、口絵の登場人物紹介では「一応(?)本作の主人公」ってなってるんですね。
彩姉が高校生のとき、魔女を追ってやってきた異世界の騎士。
彼自身はいい人だったんでしょうけど……。
うーん、どこかの世界に飛ばされただけで実は生きていたとかの方がいいな。
子どものためにもあの人のためにも。
砂時計のことといい子どものことといい、シュウのことは愛していたんでしょう。
そして、あの人は逃げ隠れしているにしては近所に住みすぎなんですよ。
だから心のどこかで彩姉に断罪されることを望んでいたのかなーとちょっと深読みしてしまいました。
竜助さんと彩姉の関係、いいなぁと思いながら読んでいました。
彩姉の思いは、過去話を読んでいる時から見当ついてましたし、上手くいってほしいです。
これで一通り家族にはスポットがあたったのかな?
刻人はふれているとはいえさらっと過ぎるし、美智乃の能力の進化という伏線もまだ残っています。
軋奈の話も1巻で語られたことが全てとはとても思えませんし。
このシリーズの最終巻は10巻。
つまりまだ半分にも到達していないということ。
これからどう展開していくのか楽しみです。
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