アキハバラ@DEEP/石田衣良
社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶のアイドル。彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。そしてネットの覇権を握ろうとする悪の帝王に、おたくの誇りをかけた戦いを挑む! TVドラマ、映画の原作としても話題の長篇青春電脳小説。 解説・森川嘉一郎
最近、石田衣良さんの作品読んでないなぁ、と思ったので今日はこの作品です。
というか、あと私が持っている石田さんの作品ってIWGPの8巻しかない。うーん、9巻ってまだ文庫化しないのかな?
この作品はあらすじにもありますが、テレビドラマ化&映画化してます。
私がみたのはテレビドラマ版を数話程度。
内容はほとんど覚えていないのですが、バナナマン日村さんのメーテルコスの気持ち悪さ、キューティーハニーの鬱っぽい替え歌、悪役として登場する社長がチュッパチャップスみたいなのを食べてたことは覚えてます。
ベージ、ボックス、タイコ、アキラ、イズム、ダルマの6人が秋葉原の片隅で会社「アキハバラ@DEEP」を興します。
そして精魂かけて作成したプログラム――AI型サーチエンジン『クローク』を奪われてしまい、それを取り返さんと大企業に戦いを挑む話です。
いきなり謎の語り部の説明からはじまるのですが、この語り部が物語り中時々登場し、読者に語りかけてくるという形態をとってます。
語り部の正体は途中途中で仄めかされてこそいるものの、明かされるのは本当に最後。
正直、この語りかけですが、冒頭のプロローグはともかく他はない方がよかったんじゃないかなーとか思ってました。
昨日読んだ
ヴァン・ショーをあなたにと同じく専門用語が多かったです。
でもそれはフランス語よりは馴染みやすいというか。
主人公たち6人の専門分野がそれぞれ違うので、細かなことはわからなくてもニュアンスでわかるというかそんな感じ。
それに、この話ではそういう専門的なことがキーにはなってこないので、わからなくても特に問題ないんですよ。
この物語は若者たちがいかに楽しく無傷で戦いを行うか、ってことがキーですからね。
ボックスは吃音がひどいので、パソコンに文字を打つことで会話を成立させていたんです。
私、ボックスってスケットダンスのスイッチみたいに音声合成ソフトを利用しているんだと思っていたのです。
違いましたね。普通にディスプレイに表示させた文字を読んでもらっていたんですね。
ドラマ版だと音声合成ソフト使っていたからなのかな?
勘違いがわかってちょっとびっくちしてしまいました。
デジキャピの社長が酷い。
なんていったらいいのかな、すごく自分勝手なんです。
自分の利益となるだろうと判断したからこそアキハバラ@DEEPに近づき、交渉が決裂するとリアルに空き巣に入ってすべてのデータを持ち去り、それを自分達のものとして発表しようとするんです。
泥棒、誘拐、障害その他もろもろを指示していたこの人がその後どうなったのかはわかりません。
でも、デジキャピの本社ビルが聖地として奉られるようになるってことは会社を追い出されてそれ相応の報いを受けることになると見ていいかな。
文庫版で500ページ以上もある長い話なので、読んでいる途中で飽きてしまいそうになったのですが、それでも最後まで読み進められてしまうのですからすごいです。
おもしろかったです。
でもしばらくこれだけ分厚いのは読みたくないなぁ。
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