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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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ST 警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル

ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)ST 警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル/今野敏
密室状態のマンションの一室で、若者4人の死体が発見される。彼らは皆新興宗教団体の信者たちだった――。集団自殺と片付けられかけたが、STは他殺の可能性を追う。入り組んだ宗教団体内の人間関係と、揺れ動く人間心理。僧籍を持つST山吹が、事件だけでなく人の心の裏側を解く、「色シリーズ」第3段。


今回はタイトルからも分かるとおり、黄色――つまり山吹さんが活躍します。
山吹さんは警視庁の職員でSTのメンバーであるにも関わらず、僧籍を持つ坊主です。

青山は秩序恐怖症、赤城は女性恐怖症、黒崎は先端恐怖症、翠は閉所恐怖症でしたか。
山吹さんだけはそういうものがなかったので、ちょっと気になっていたのですが、今回それが明らかになります。


宗教団体の信者たち4人が練炭による一酸化炭素中毒で死亡しているのが発見された。
これだけの情報なら自殺と思われるのですが、いろいろとおかしな点が見つかり、STは他殺として事件を追うことになります。
今回もまた川那辺さんと対立します。

この人もいい加減STのこと受け入れてもいい気がするんですけどねぇ。もう意地なのかもしれません。


この巻、内容は全く覚えていなかったのですが、キャップが山吹さんの寺に行くってところだけ覚えてました。
より正確にいうなら、泊まりに行くから下着をコンビニで買う、ってところだけですね。

なんでそんなところだけ覚えてるんだろう……。
読んだ事すらすっかり忘れてたのに。


『宗教は科学の残滓である』
作中で登場した言葉なのですが、確かにとうなづいてしまいました。
そうなんですよね。大昔の宗教と今の宗教では重要性というか、民衆の中での地位というか、そういうものが全く違うと思うのですよ。


犯人の行動というか、犯人が犯行に走ってしまったきっかけですが、実際ありそうだと思いました。
ちょっとしたことで孤立して、陰口に耐え切れなくなって……。
裏がわかればたいしたことなくても、そのときは酷く傷ついて耐えられないもんなんでしょうね。
この犯人みたいな人、結構たくさんいると思います。


今回はちょっとしたすれ違いがすれ違いを生んで取り返しのつかない状態にまで追いやってしまった。
悲しいというのもちょっと違うけれど、なんていったらいいのかな。
極悪人がいたわけじゃないので、犯人の逮捕=すっきり!、って訳にはなりません。

けど、そのままで終わらせないからこのシリーズいいんですよね。

犯人を逮捕したあと、最後に後日談までとはいきませんけどSTメンバーたちのやりとりがあって、思わずくすりとさせられて終わる。
パターン化しつつあるんですが、それがあるから読後感が悪くならないんですよ。

こういうパターンは嫌いじゃありません。

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