1/2のヒーロー 大百足の巻/七穂美也子
聖が竜神を払祓ったあと、火山が噴火し甚大な被害を生み出した。
それは火山に棲んでいた大百足が、天敵がいなくなったのを幸いに暴れだしたからだ。
不本意だったとはいえ、竜神を祓った聖は、良心の呵責に堪えられずにいた。
そんな彼の夢枕に立った阿部晴明の後押しもあり、聖は大百足のもとへ行く決意をするが、鷹矢の大反対にあって…。
譲葉と晴明の協力を得、聖は一か八かの勝負に挑む!
晴明の漢字が違うのは多分、誤植ってやつなんでしょうねぇ。
たまに歴史上の人物と思われる人物を出しても微妙に名前や漢字を変えたりしている作品があるのでこれもそうだったっけ?、と本編を確認をしてみたら、本編は“安倍”だったので誤植でしょう。
初版の作品だとたまにこういうことがありますよね。
何回か誤植と思われるものって見つけたことがあります。
上月司さんの「カレとカノジョと召喚魔法」では漢字のルビ間違い、
霧舎巧さんの「ドッペルゲンガー宮」ではカバーの既刊一覧っていうんですかね、その作者さんの作品名がズラーっと並ぶはずがまったくないってのもありました。
誤植を見つけるとなんか、作家というか編集さんとかなのかもしれませんが、とたんに人間らしく感じられたりします。
作中で出てきた火浣布――火鼠の皮衣ですが、かぐや姫より先に犬夜叉を思い出した自分にやばいと思いました。
そこは素直にかぐや姫を思い出すべきでしょうに…。
閑話休題。
以前、譲葉が一番大人なのかも?って書いた気がするんですが、実際そうでしたね。
やっぱり、女の子の方が精神的に強いものです。
そして、譲葉は自分が可憐な美少女であるということを自覚して武器としている面もあるので、鷹矢も扱いに困るんでしょう。
晴明に恋愛相談するって確かにすごいです。
少年陰陽師みたく生きている晴明に相談するっていうんならまだわからなくもないんですが、この作品では晴明は神ですから。
なんとも贅沢なことです。
今回、登場する大百足は今までのシリーズ中、一番の小物だと思います。
前巻の竜神が非常にいさぎよく、少女との約束を守っていただけという、かっこいい扱われ方をしただけに余計なんだと思いますが。
鷹矢が聖に対して押しすぎな感じがあったので、二人が喧嘩して向き合えるようになったのはよかったです。
離れてみて分かることってけっこうあるもんですしね。
次回は稲荷ってことは狐ですね。今回大岩の下敷きになっていた狐がそこのお使いらしいですし。
鷹矢があれだけ興味をもっているってことは小狐丸って刀か何かですか?
歴史はまったくといっていいほど分からないのですが楽しみです。
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