アート少女 根岸節子とゆかいな仲間たち/花形みつる
実力派の三年生が卒業して、美術部の部長になった節子。
残ったのは、超個性的な面々ばかり。
しかも、校長に目をつけられ、次々に難題をつきつけられて……。
でも、あきらめないヤツは強いのだ。
つき進め、根岸節子と、その仲間たち!
図書館で借りてきました。
ちょっと前に本屋で
ポプラ文庫版をみかけて気になっていたのです。
読み終わってから知ったのですが、この話は『
Fragile―こわれもの』に収録されているアート少女という短編の続編だそうです。
でも前作を読まなくても十分楽しめました。
校長が学校を進学校化したいらしく、その補習授業の専用教室を作るために、部員が少なく実績をもつ生徒が卒業してしまった美術部を明け渡すように要求したのです。
それに抵抗したものの部室はとりあげられ、さすらっているという状況。
部費もないのに、廃部にしないためには県大会で賞をとらなければいけなくなって。
その作成費を作るために、商店街のシャッターに絵を描いたりします。
読んでいて「もういい加減諦めればいいのに」と思うくらい次から次へと試練が襲い掛かってきます。
校長が美術部を目の敵にしすぎていて本当に何があったんだ、と言いたくなってしまいました。
それだけ前作でやらかしたことがひどかったのか……。ちょっと気になってきました。
というか普通、美術部の部室って美術室だと思うんですが、違うのかな?
少なくとも私の通ってきた学校では美術部=美術室だったのですが。
美術室のない学校ってあるんだろうか……。
モジリアニこと顧問の先生が登場するのですが、この先生が最初、美術部員たちに対して非干渉というか。
放置気味なんですね。
で、この手の部活モノのこういう教師ってたいてい後から「なんで顧問に知らせずそんなことを!」とか言ってくるじゃないですか。
(
少年少女飛行倶楽部や
ビートキッズとか)
なので、モジリアニが開き直ったときにちょっと嬉しかったです。
そして、みんなで作った作品が大賞を取るということはありませんでした。
それでも、最終的には校長に美術部の存続を認めさせることが出来たのはよかったです。
校長みたいなああいう大人にはああいう方法で攻めるのが一番早いのは確かだと思いますよ。
でもさぁ、「クラブ活動への加入率が90%超」っていうのは途中で半強制したからだろうと突っ込みたくなってしまいました。
続編が読んでみたいなと思いました。
恋の行方だとか、進路問題だとか青木クンの成長っぷりだとか。
また無理難題が突きつけられても彼女たちなら乗り越えられるんじゃないかな。
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