エレキ源内 殺しからくり/米村圭伍
「ただのエレキテルと思うなよ。平賀源内最後の大発明さ」
田沼意次、一橋家が企む、将軍お世継ぎをめぐる陰謀か!
父、源内の遺した秘法を探す娘、つばめに迫る危機。
平賀源内の娘にうまれたのが血の因果、つばめが巻き込まれた源内秘法を巡っての、太田直次郎(狂歌師・四方赤良)、娘武芸者、黒頭巾の一団、軽業一座、忍者…入り乱れての大騒動。黒幕の正体を暴かんとする、つばめの巻き返しはなるか。乞御期待!
しゃばけの挿絵を描かれている柴田ゆうさんのイラストに惹かれて図書館から借りてきました。
柴田ゆうさんって時代物以外の描かれてることないのかな?と思ってちょっと気になってウィキで調べてみたのですが、ウィキでページ作られてないんですね。
残念。
物語はあらすじにもあるとおり主人公の少女つばめが父・平賀源内の発明をめぐる騒動に巻き込まれる話です。
時代物ですが結構さらりと読めました。読みやすかったです。
途中読んでいて、子供向け海外ファンタジーを思い出しました。
なんでだろう?と考えてみたのですが、多分「知恵と勇気で困難に立ち向かう」っていうスタンスが似ているように感じたんだと思います。
私の中で海外ファンタジーってそういう印象があるんですが、伝わるかな?
読んでいてちょっと驚いたこと。
この作品プロローグとエピローグにあたる発端と大尾は「だ、ある調」なんですが、本編は「です、ます調」なんです。
作中作とか手紙だとかそういう事情でもないかぎり、普通1作品通して固定されているじゃないですか。
あと視点も普通の三人称ではないんです。三人称≒神視点というのは知っていましたが、この作品の視点は作者なんですよ。
作者視点なので、後の時代の出来事の説明だとか、登場人物たちの考え方に関する補足だとか、読者にたいする呼びかけだとかそういうものがあって。
まさに作者視点だからこそ出来るものですね。
そういう作品を見かけたことがないのでちょっとびっくりしました。
おじさまこと直次郎の底があさい。
人間らしいといえば確かにそうですが、うーん。
正直、あの立ち位置にいる「おじさま」ってもう少しかっこよくいてほしかったというか。
そんな感じ。
結局名前すら明かされなかった忍者もそういう意味では気になっていたのですが、とくに活躍することもなく退場してしまいましたしね。
きっとその後のつばめの話が語られることはないんだろうなと思います。
これはこれだけで完結して続編はないと思うのですが、なんとなく想像がつくというか。
きっといろいろなカラクリを用いて様々な出し物をするんだろうな。
さらりと読むにはおもしろかったです。
この作者さんの本まだ何冊かあったので今度借りてこようと思います。
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