博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室/伊与原新
自然史博物館に棲みついた変人博物学者と片付け魔の新人研究者、でこぼこコンビが事件解決のために動き出す――!
新感覚サイエンスミステリー誕生!!
どんなものも絶対にすててはならない。
――これは博物館の第一原則だ。
図書館で借りてきました。
初めて読む作家さんですね。
【標本No.1 呪いのルビーと鉱物少年】
…宮沢賢治が集めた鉱物標本?そんなもの実在するの?
【標本No.2 ベラドンナの沈黙】
…あいつの毒草円には呪力のありそうな植物がそろってるぜ。
【標本No.3 送りオオカミと剥製師】
…この世にニホンオオカミの剥製が何体あるか、知っているかね?
【標本No.4 マラケシュから来た化石売り】
…デボン紀のモロッコ産三葉虫には、それぐらい偽物が多いんだ。
【標本No.5 死神に愛された甲虫】
…旦那だけが昆虫館でその死神とやらを見たということか?
【標本No.6 異人類たちの子守歌】
…これが密かに日本に持ち出された北京原人の骨だと?
の6編が収録された短編連作集です。
元々は
小説すばるに掲載されていたそう。
【…】の後の文言は、帯に記載されているものになります。
ファントムこと箕作と、新人の環のコンビが様々な事件に巻き込まれ、首を突っ込んでいく話になります。
事件といいつつも、殺人とか血生臭い話はないので、さらっと読めますね。
帯を読んだ時点で、新人研究者が振り回されるんだろうなぁと思っていたのですが、途中からはいい意味で裏切られました。
環の成長っぷりが中々に小気味いい感じ。
専門家たちがたくさん登場するので、学名がガンガン出てきてそこはちょっと困りました。
ほとんど知らなかったです。
知っていたのは序盤で出ていたフタバスズキリュウと2話で出てきたロサ・キネンシスくらいでした。
まあ、フタバスズキリュウは
ドラえもん、ロサ・キネンシスは
マリア様がみてるで知っていたんですけど(笑)
この作品のあとがきは、事実と創作をきちんと分けるためとはいえ、多少ネタバレがされていますから、あとがきは最後に読むことをおすすめします。
なんだかいい雰囲気になった2人でしたが、この後も言い合いしながらも仲良くしていくんだろうな。
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