家のロマンス/加藤幸子
おばあさまが死にそう。
早く、早く。
駆けつけた孫娘に託されたものは…。
祖母が語る家の過去、孫娘が築く家の未来。
時を超え連鎖する生の物語。
図書館で借りてきました。
全く知らない方だったんですが、この方芥川賞受賞作家だったんですね。
あらすじ(というか帯)にあるとおり、祖母と孫娘の視点で語られる物語です。
【第一部 祖母――ミヤ】
【第二部 孫娘――ヨシノ】
とある通り、W主人公というにはちょっと違うのかな。
語り口というか、淡々と物語が進んでいく様は、どことなく梨木香歩さんっぽいかな、と思いました。
死ぬ間際の祖母が病床にあるところから物語ははじまります。
戦前から戦後にかけて。その間におきた出来事を思い出していくんです。
家を中心に語られていくそれは、私にはいまいち理解できないものでしたが。
そして、ミヤが死に、その際に何かをヨシノに受け継がせようとしていた、という所で語り手はヨシノに移ります。
ヨシノはミヤの部屋から『ARS』と表紙にある立派なノートを見つけだします。
そこにミヤの死後起こった出来事を綴っていくという形で物語は進みます。
ミヤが死に、兄弟姉妹とその家族が多く住んでいた家はどんどんとギクシャクしていきます。
まあそうなるのも致し方ないだろうなと思いましたが、読んでいてあまり気持ちのいいものとは思えませんでした。
正直、ノートの顛末があまりにも気持ち悪くて、思わず顔をしかめてしまいました。
北海道在住なので、ゴキブリを見たことはないんですが、それでもそれの幼虫を可愛らしいと表現してしまうことには怖気が走りました。
その前にもあった表紙はゴキブリに食われて云々も気持ち悪かったんですが、最後には負けます。
ページ数も200ページないくらいなので2時間かからず読み終わりました。
途中までは可もなく不可もなくただ読みすすめていたんですが、最後の最後で気持ち悪くなってしまい読後感はあまりいいものとは言えませんでした。
多分もうこの方の本を借りてくることはないかなぁ。
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