小説探偵(ノベル・アイ)GEDO/桐生祐狩
おれの名前は三神外道、通称“げど”、酒と小説をこよなく愛する、しがない広告屋だ。だかおれには、眠ることで小説世界に侵入できる「小説探偵」としての顔がある。日々訪れる依頼人は、未解決の伏線に消えた息子を捜す人妻、耽美小説の超美形キャラに、自作内ギャンブルに溺れた三文作家――現実と小説世界をまたぐさまざまな難事件を解決していくおれだったが、やがて、失われた記憶にまつわる巨大な陰謀が、悪意に満ちた全貌を現しつつあった……。ミステリ、ホラー、時代小説、ファンタジイほか、あらゆるジャンル小説に過剰な愛をそそぎこんだ、7篇収録の連作集。
久しぶりに2段組のノベルスを読みました。
比較的厚めの本だとはいえ、やっぱり文章量多いなぁ。
文庫ばっかり読んでるとノベルス読むの大変な気がします。ノベルスの文庫版とか多々持ってるはずなのに受ける印象がこうも違うのは何故なんでしょう?
【第一話 黄金の船】……ミステリ。
【第二話 妖蛾異人伝】……伝奇時代BL
【第三話 青き追憶の森】……海外ミステリ。男泣き系。
【第四話 タイトロープな男たち】……賭け事ギャングもの。
【第五話 百合秘紋】……未完の時代小説。
【第六話 チェンジングヘッド】……ホラー。
【第七話 ソード・オブ・ウインド】……RPGゲームのノベライズ。
の7編が収録されています。
タイトル=小説で、毎回げどがその話の中に入っていき、そして登場人物たちが世界を飛び出してきたりします。
なんというか、2次創作大好きな人間からするとなんともおもしろい設定でした。
確かに「ここで○○(キャラ名)がこういう行動とるのおかしくない?」とか「あれは伏線じゃなかったのかよ」なんて思うことが多々あります。
そういう疑問を解決することが出来るっていうのはいいな、と。
でも、物語的にはそこが主軸ではないんですよね。
個々の物語で起きた問題を解決していく一方で失われた記憶だとか、謎の男の正体だとか、男女の仲だとかそういう方向に主軸がシフトしていきます。
げどの能力が「おもしろそう」と感じて読みはじめた身としては途中でちょっと疲れてしまいました。
能力だけ見たらラノベっぽいものの、内容はまったくラノベっぽくない。そんな話でした。
銀次好きですね。
こういう強い子は好きです。
作中で謎のまま終っている泉の正体は、きっとげどが「外道」として書いた小説の登場人物なんじゃないかな?と。
けど、「百合秘紋」のときに飲んだ霊銀の影響でいろいろと忘れてしまったとか。
ここで予想してみて全然違ったら恥ずかしいですね。
それこそ、作者のみぞ知る世界。
作者は続編を出す意思はあるようです。これの発売が2004年ですからちょっと厳しいかもしれませんね。
内容を細部にわたって覚えているかといわれたら難しいですけど、続編でたらちょっと読んでみたいな。
[0回]
COMMENT