気障でけっこうです/小嶋陽太郎
史上最年少受賞の現役大学生作家が描く、極上の青春小説。
笑、涙、謎、友情――
大切なこと、みんな幽霊(シチサン)が教えてくれた。
第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作
女子高生のきよ子が公園で出会ったのは、地面に空いた穴に首までぴっちりと収まった"おじさん"だった……男は、なぜおとなしくしっぽり穴に収まっているのか!? きよ子は男を助けるために奔走するが、その途中運悪く車にはねられ病院へ。そして意識を取り戻した彼女の前に、公園で埋まっていたあの男が突然現れた。「私、死んじゃったんですよ」そう、男は幽霊となっていた!? 髪をピタッと七三に分けた、"シチサン"と名乗るどこか気弱な幽霊と、今時女子高生の奇妙な日々が始まった――。
図書館で借りてきました。
よく見ると表紙がかなりシュールですね。
ボイルドエッグ新人賞受賞作を読むのはこれが2つ目かな?
以前、読んだ『
片桐酒店の副業』がかなり微妙な代物だったので、あまり期待してなかったのですが、期待以上でした。
それでもまあ、絶賛するほどではないですが。
物語は、女子高生・きよ子とおじさんが出会うところから始まります。
おじさんは寂れた公園で穴にすっぽりとはまっているんです。おじさんを助けようとしたきよ子はその途中で車にはねられてしまいます。
病院で目覚めたきよ子の前に、幽霊となったおじさんが現れるわけです。
前半はきよ子が入院中のため、病院内の描写に終始するんですが、正直だれます。
きよ子の脳内が結構ぶっとんでるので、ちょっと読みにくいし、正直なくても問題はなさそう。
(美人なお姉さん・由香さんの表現に「悩ましげな睫毛」とあって
修羅?とか思ってましたが)
この手の話で一番はじめに聞くであろうことを全く気にしないのはちょっとどうなのかな?と思ってしまいました。
だって、幽霊が自分に憑りついて会話も出来るのに、名前も目的(未練)も何にも聞かないんですよ?
物語が動き出すのは、中盤になってから。
正直、キエちゃんが怖い。
他の方の感想を読むとキエちゃんかっこいいとかそういうのも見かけるんですが、私はそうは思えなかったです。
キエちゃんは初登場時こそそうでもなかったですが、だいたい怖い存在でした。
シチサンと早苗さんの恋に関しては、すごく悲しいなと思う一方でまあそんなもんだよなとも思いました。
櫻田が逃がすわけないですよね。
ラストの展開は、結構好きでした。
シチサンがやらかしたことはともかく、その後のきよ子の行動は「ああいいな」と。
この方はこれがデビュー作。
先日、図書館に行ったら2冊目「
火星の話」があったので、いつか読んでみたいです。
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