片耳うさぎ/大崎梢
片耳うさぎに気をつけろ。屋敷に入れるな。入れれば人が殺される。
古くて大きなお屋敷の謎を前に、二人の少女が大奮闘!
この家に、入れちゃいけない「うさぎ」は誰だ?
あっちもこっちも謎だらけだけど、私、思うのよ。これら全部がすべてきれいにつながる瞬間があるんじゃないかって。
蔵波奈都は小学六年生。引っ越してきた父の実家は、古くて大きなお屋敷で、どうしても馴染めない。しかも、このお屋敷には不吉な言い伝えがあるというのだ。弱った奈都が頼ったのは、ひ とりの謎めいた女子中学生だった……。優しい読後感が嬉しい、傑作ミステリー長編。
図書館で借りてきました。表紙とタイトルに惹かれて思わず手にとっていました。
あらすじにもある通り、少女たちが旧家を舞台に冒険というか推理を繰り広げる話です。
はじめのうち、物語に中々入り込めなくて読むのが大変でした。
が、お屋敷での冒険や片耳うさぎの伝説などが明らかになるに従い、どんどんひきこまれていきました。
お屋敷の大きさイメージは
サマーウォーズの陣内家くらいなのかなーと。
古さと探検とかのイメージなら
トトロですが(笑)
作品冒頭に見取り図があるんですが、あんまり使わなかったです。
正直、読みながら見取り図と見比べていてもよくわからなかったので「もういいや」と。
見取り図はなくても特に問題ないです。
本編が悪いわけではないのですが、この作品の文字、慣れるまでちょっと見辛い。
「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」が他の本よりサイズが大きいんです。なので「なっちゃん」なのか「なつちゃん」なのかでちょっと悩んでしまいました。
すらすら読めないというのはちょっと問題じゃないかなーとか思ってみたり。
さゆりさんが最初から「ガンガンいこうぜ!」なわけですが、それに影響されてビクビクしていたなっちゃんもどんどん積極的になっていく様は読んでいておもしろかったです。
さゆりさんを紹介した手前、ちょっと責任を感じている祐太くんが可愛かった。
「泊まる」ってことがなければ祐太くん活躍の場がもう少しあったんだろうなぁ、とか思いつつ読み終えました。
彼はある意味キーのひとつを握っているからこそのあの出番の少なさだったのかもしれませんね。
さゆりさんはなっちゃんの勘違いを利用していたようですし、祐太くんがポロリとこぼしてしまえばまた話が違ってきますしね。
いろいろな謎がスルスル解けていく様はよかったです。
ただあの人の正体については微妙。
おひたしの話はともかく、手紙の筆跡なんて文章で読む側としてはわからないじゃないですか。
だからこそ屋根裏に隠されていたってことなんでしょうけど、反則だとはいいませんが、ちょっと納得いかなかったです。
最後、1人蚊帳の外状態だった良くんの扱いの悪さに笑ってしまいました。
確かに良くんとさゆりさんじゃ釣りあわないなとか思ってしまいましたもん(笑)
おもしろかったです。
この方の作品図書館に何冊かあったはずなのでそのうちまた借りてきたいと思います。
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