葬神記 考古探偵一法師 全の慧眼/化野燐
怜悧な頭脳とカミソリのような態度。一法師全は私設研究所に所属する文化財専門のトラブル・シューターで“考古探偵”の異名を持つ。アルバイトの古屋は遺跡の発掘現場で 運悪く死体を発見して警察に連行されてしまう。“ぬかとさま”の祟りという噂が一人歩きをはじめる中、教育委員会から依頼を受けた一法師の登場によって事件は解決するかに見えたが、そ れは始まりに過ぎなかった。考古学ライトミステリ、シリーズ第1弾!
以前購入して置いてあった本です。
本屋で表紙と『考古学』というフレーズに惹かれて購入したのですが、そのときに隣にあった
2巻も一緒に買うか悩んで、結局1巻しか買わなかったのです。
読み終わった今、購入しなくてよかったな、と思いました。
ぶっちゃけ、読みづらい上に好みじゃなかったので。
同じ『考古学ミステリー』なら私は北森さんの
蓮丈那智シリーズの方が好きです。
あ、違う。あれは民俗学か。
物語は不幸な青年・古屋くんが死体を発見するところからはじまります。
不幸というか、お人好しというか、いろいろ押し付けられてそう。
古屋くんは警察に任意で連行されて、そこにやってきたのが『考古探偵』一法師全(いっぽうし ぜん)。
怒られながらも、古屋くんが犯人じゃないことを説明され、発掘のアルバイトを行うんです。
そこでのやりとりなんかから、一法師は殺人事件の犯人、強いてはその背後に潜んでいたものまで引きずり出します。
古屋くんが第一発見者となった殺人事件について、さっさと解明されてしまうので、はじめ「これ短編集なの?」と思ったのですが、そういうことではなくて。
複数の問題があって、それを順々にといていったらすべてが明らかになる、という形式の物語でした。
物語のキーを握っていた女性・菅生(すごう)さん。
物語はほぼ彼女と古屋くんを追うかたちで進みます。
ぶっちゃけ、話を読み進めていっても、誰に感情移入できるわけでもなく。
一番感情移入しやすいであろう古屋くん視点オンリーにした方が楽しめたのかな、と思いました。
でも、それだと菅生さんが持つ情報を出さなかったからなのかな。
最後の古屋くんにしかできない解決方法はよかったですが、その前の集団ヒステリー?にはついていけませんでした。
なんか訳がわからないまま話が進んでいて。
首を傾げてしまいました。
シリーズ第1弾なだけあって、微妙な伏線がはられています。
ですがそこまで気になりはしませんでした。
ぶっちゃけ、一法師に魅力を感じなかったので、彼の過去に何があってもあんまり気にならないというか……。
そんな感じ。
図書館にあったら借りるくらいはしそうですが、わざわざ自分で買ってまで読もうとは思いません。
まあ、地元の図書館って文庫の購入率が異様に悪いので、きっと続きを読むことはないんだろうなぁ。
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