静おばあち ゃんにおまかせ/中山七里
一見頼りなげながら、つぎつぎと難事件を解決する捜査一課の若手刑事、葛城公彦。
でも、彼のお手柄の裏にはある秘密の存在が……。
「静さんは魔女だよ」
『さよならドビュッシー』『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』……。「ドンデン返し」ミステリの名手が贈る、女子大生と祖母の名コンビ。
図書館で借りてきました。
この方、前から気になっていたんですが、ようやく借りられました。
【第一話 静おばあちゃんの知恵】
【第二話 静おばあちゃんの童心】
【第三話 静おばあちゃんの不信】
【第四話 静おばあちゃんの醜聞】
【第五話 静おばあちゃんの秘密】
が収録されています。
あらすじにもある通り、若手刑事・葛城が、表紙の少女・円と円の祖母・静の力を借りて事件を解決していく話。
円は両親を事故で亡くしており、元裁判官の静に引き取られたと。
法曹関係の仕事を目指す19歳の少女と青臭くて諦めが悪いまっすぐな青年の恋の行方も気になる1冊です。
短編連作ですね。
1話1話で基本的な話は完結しているんだけど、全話読むと円の疑問もひも解かれる、と。
よくあるユーモアミステリかと思って借りてきたんですが、思ったより重かったです。
でも、さらっと読めることに変わりはありませんね。
安楽椅子探偵のおばあちゃんですが、推理だけじゃなく説話?語りにもなるほどなぁ、と思いつつ耳に痛いのも確か。
でもそういう考えは大事なんだよなぁ、と。ちょっと考えさせられました。
正直、途中からあれ?って思っていたのでラストのおばあちゃんの秘密には、なるほどと。
展開的に
ハイライトブルーと少女か、
煙とサクランボの展開かどちらかになるだろうと思っていたので。
まあ、叔母さんからの選挙のお願いの電話なんかも実は伏線なんですよね。
この叔母さんは
妖アパの青木みたいな決めつけてるんですよ。
「あなたみたいな身の上で世の中に拗ねないなんてはず、ないんだから」(p141)
ちょっといらっとしましたけど。 20歳になるかならないかの姪っ子だけに選挙のお願いをしている時点で推して知るべしというところでしょうか。
面白かったです。
その後の二人の姿も見てみたい気もしますけど、この展開的に続編は厳しいかな?
図書館に帯に書かれてるような作品(というかシリーズ?)はひと通りあったようなので、今度折を見て借りてきたいと思います。
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