
<骨牌使い(フォーチュン・テラー)>の鏡/五代ゆう
わたしは、物語を語り終えなければならないのです――。
愛と、裏切られた真実と、その死と。
骨牌に翻弄される少女アトリの数奇な運命を描くハイ・ファンタジーの大傑作。
そこは<祖なる樹木>と<旋転する環>によって生まれた十二の<詞>によって語られた世界。<詞>はたがいに響きあい、その調和によって世を存続せしめる。それを見守り、<詞>そのものをまとめるのが<骨牌>の王国・ハイランドの王であり、その補佐たる十二人の<骨牌>たちである――。
河口の町、ハイ・キレサスに住む市井の占い師(フォーチュン・テラー)・アトリは、<斥候館>の女主人、ツィーカ・フローリスの寵愛を受けている。館には年少の友人、モーウェンナがいて深い愛情に満たされてはいるが、亡くした母の面影を追いながら毎日を過ごしていた。
館の<花の祭り>当日、<骨牌>>を使った占いの最中、アトリを襲った悲劇がすべての物語を語りはじめる。運命的に出会った青年、ロナーに告げられた言葉――「おまえは<十三番目>なんだ」。
<十三>は世界に大きな変動が訪れるとき現れるという。折しも<詞>に反逆する<異言者(バルバロイ)>たちが蠢き、世界の均衡は崩れはじめていた……。
<異言>の悪意がアトリを襲う――。
<骨牌>に翻弄される少女の数奇な運命を描く幻想叙事詩。
すべての物語は語られつくす――。ハイ・ファンタジーの大傑作登場!!
なんとなく、分厚い読み応えのあるファンタジーが読みたかったので、図書館で借りてきました。
思ったより文量が多くてちょっと大変でした。
はじめて読む作家さんだと思ったんですが、あらためてよくよく思い出してみると以前1冊読んだことありましたね。
『
柚木春臣の推理 瞑る花嫁』と同じ作者さんでした。
ジャンルが全然違うのでしばらく気づきませんでした。
あらすじにもあるとおり、数奇な運命を辿ることになった少女の物語を描いたハイ・ファンタジーです。
500ページオーバーのかなり分厚い1冊です。
持ちながら読むのは結構きつかったのでもっぱら寝転がりながら読んでました。
この本と一緒に借りてきた本は4冊ほどあったんですが、YAコーナーにあったし、せいぜい3日あれば読み終わるだろうと高をくくっていたので、最後に開いたんですよ。
そうしたらまさかの2段組orz
しかも、文字がかなり小さくて。奥付を見るとこの本が発売されたのは平成12年と10年以上前のものだったんですね。
確かによくよく思い返してみるとこの本、かなり昔から図書館に鎮座してました……。
想定していたのよりかなり時間がかかってしまいました。
個人的に、好きキャラは後半で登場したキャステア、物語序盤から登場しており作中1、2を争うほど出世したゴロツキ骨牌占い師だったダーマットあたりでしょうか。
あ、あとはダニロとかもね。
とかいいつつもダーマットがいいなと思えたのは中盤以降のことだし、ダニロにいたっては再登場した時「誰だっけ?」となって前半のページを確認しなければ核心をもてませんでした。
ダニロって結構重要キャラクターだったんですが(笑)
この物語は母であり子であり、そして女でもある少女の物語だったわけですが、 私のようにざっと読んだだけでは理解しきれないな、というのが正直な感想です。
おもしろかったですが、主人公の少女・アトリとともに翻弄されているだけで終わってしまうというか。
物語の表面をなぞるだけならそれで問題ないんでしょうが、物語の深いところまで理解しようと思うとじっくりゆっくり何度か読まないとだめでしょうね。
どうやら
文庫
は3冊に分割されているようなので、これから読むならそちらをオススメします。
まあ、手に入れられるかはちょっと厳しそうですけどね。
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