悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談/高里椎奈
毒死した京都の外科医、轢死した東京のプログラマー、出血死した鳥取の書店員…場所も日時も別々で互いに無関係な六人の死。自殺、事故死、殺人としてすべて解決したはずのこれらの事件の共通点とは何か? 薬屋探偵三人組の良心座木が難攻不落の謎に挑む! 個性派キャラが続々登場する好調シリーズ第3弾。
ずいぶん久しぶりな気がする薬屋シリーズ第3巻です。
これで高里さんの作品3つ目なのでカテゴリ作りました。
この作品は異色作。
短編集なのかと思うような事件が3つ続きます。そして、それらを全て結ぶ話が語られます。
その全てを結ぶ線を前回登場した刑事さん――高遠さんと葉山さん――と座木とリベザルをメインに話は進みます。
今回は秋の出番はあまりなし。
というか、出番はあるんですよ。
でもその出番が妙というか最後まで読まないと一体どういうことなんだ?と首を傾げてしまうというか。
そんな感じ。
毎回思うことなのですが、リベザルが可愛い。
葉山さんが悶えてましたが、わからなくもない。
秋の可愛さというのはほぼ見た目の問題なので、小説という媒体ではわかりにくいんですが、リベザルの可愛さは小説でも十分わかります(笑)
リベザルがいろいろ考えて、自分から苦手な人付き合いに挑戦しようとする様は読んでいて素直に応援してあげたくなりました。
で、ちょっと疑問に思ったこと。
今回リベザルは読み書きが出来ないらしいという描写がされています。
文字の練習をしていたり、座木に雑誌を読んでもらったりしているところからわかりますよね。
が、その一方で座木が作成した表を確認したり、前話で雑誌の推理パズルみたいなやつに応募しようとしていたような気がするんですが。
その辺どうなっているんだろうなぁ……。あんまりつっこんじゃダメかな。
私が持っているのは第5版なんですが、脱字とかありましたし、もしかしたら最新版では修正されているかもしれませんね。
『悪魔と詐欺師』というタイトル。
すべて読み終えるとそういうことだったのか、と思わず納得してしまいました。
が、ミステリーとして楽しむにはちょっと結末が放り投げられているような気がします。
だからこその異色作ってことなんだと思うのですが、こういう終わりもありかなと、妙にすんなり受け入れられました。
今作でもまたゼロイチの扱いが悪くてちょっとかわいそうでした(笑)
けどここの力関係ってきっとかわらないんだろうなぁ。
そこまで気にすることじゃないんですけど、今回の解説、朝香祥さんなんが書かれてます。
シリーズ3作のうち2作がライトノベル作家ってある意味すごいですね。
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