EME RED 1 A Mission After School/瀧川武司
閃光の中心で少女が泣き叫ぶ。
ほとばしる雷の束が激突し、破壊の限りを尽くす。大地を裂き、塀を壊し、送電線を千切る。
紅は、その音と光の波の中を泳いだ。
少女を救う、ただそれだけのために。
生まれついて持った異能の力に戸惑い、世界を拒絶し生きてきた少女――茜。自らの持つ強大な力を抑え込み、命を救う決意を心に秘めた少年――紅。時に厳しく、時に優しく二人を見つめる謎の女性――蒼。いま三人が出会い、新たなる物語の幕が開ける……。
月刊ドラゴンマガジンに連載された短編に書き下ろし4編収録。ハイ・エッジ・アクション初の短編集!
書き下ろし4編というとどれだ文量があるのかと思われるかもしれませんが、書き下ろし4編のうち3編はショートショートです。
なので、厚さは一般的な文庫本と同じです。
前巻のBLUE1の方が分厚いですね。
【CASE00 零】
これがEMEシリーズの1番最初の作品になるようです。RED、BLUE、BLACKの順に読んだほうが分かりやすいそうです。作者があとがきで書かれてます。
けど刊行はBLACK、BLUE、REDの順なんですからそれってどうなんだって感じですが。
紅と蒼、そして茜ちゃんの出会いです。
あらすじで茜ちゃんが世界を拒絶しているとありますが、そうかな?とちょっと疑問に思いました。
【CASE01 A Mission After School】
表題作です。
茜ちゃんの初の実戦任務の話。
妖怪として、比較的有名であろう鵺が登場します。
よく鵺の鳴き声は虎鶫のような声って表記されてますがいったいどんな声なんでしょうか……。
オチが好きです。
人命優先だから鵺を殺してしまったのか、と思ったのですが、そういうわけじゃなかったんですよ。
その辺りが紅の成長具合を表しているんでしょうね。
【CASE02 ライオン ハート アタック】
ライカンスロープって聞くとdearを思い出します。あれって途中までしか読んでないんですよ。
紅の執念深さに驚きました。
最後の最後に蹴りを繰り出すために十何回もやられるってのはすごい。
けど結局逃げられてしまってちょっと可愛そうでした(笑)
【CASE03 それがぶたまん公園から始まった】
ただ落書きの指令に従っていくだけの話。
あの人が登場します。そう、Ω(オメガ)。
Ωに関してはすごいとしかいいようがないですよね。
こういうバカバカしい話もたまにはいいな、と思いました。
【CASE04 RUN 卵 RUN】
蒼と紅が卵を奪還する話。
えっと、ロック鳥ってわかりますか?シンドバットに出てくる巨大な鳥なんですが、それの卵を輸送します。
「OPEN SESAMI(開け、ゴマ)」と以外のもう1つの呪文の扱いがいいな、と思いました。
作中で紅が蒼に教えてもらおうとするんですが、結局作中では明らかにされず、“END”の代わりに表記されていてなんだか微笑ましかったです。
【CASE05 紅と茜、眼鏡と尼僧と対決す】
内容はタイトル通りです。
REDのみしか出ない乱と良子が登場します。
まだ、良子の能力は明らかにされてませんね。
何だったかなぁ。
【三色ショート その1 コレクエワンワン】
茜ちゃんが雷獣のワットくんに薬を飲ませようと苦労する話。
気が抜けます。
【三色ショート その2 五人の男】
ちょっとホラー?
紅のクラスメートで、怪奇現象のおっかけてる4人が登場します。
【三色ショート その3 雨味】
雨の味を楽しむ老人の話。正直、ただの変な人です。
まあ、Ωには敵いませんが。
【OFF RED01 巽蒼乃丞 対 空とぶギロチン】
蒼が人知れず活躍する話。
蒼の祖父にして、前々長官の安倍ムシキに恨みをもつ老人が登場します。
安倍ムシキがいろいろ画策しているらしい表記はあるんですけど、結局なんだったのかわからないまま。
前長官たちのたくらみもまったくわからないまま仄めかされてるだけなので、かなり気になります。
この作品、キャラクター紹介のテンプレートがあるんですが、長編ならともかく短編集だとちょっとクドイです。
毎回ほぼ同じ文章の使いまわしなので、もういいよ、って気分になります。
1巻だから仕方ないのかもしれませんけどね。
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