薬師寺涼子の怪奇事件簿 夜光曲/田中芳樹
新宿御苑の新緑が一夜にして枯れ木と化した! 化学兵器によるテロか!? 不気味な事件が起こった夜、ホタル狩りに訪れた薬師寺涼子警視と部下の泉田準一郎は、人食いボタルに遭遇。多くの見物客でにぎわう日本庭園は惨状を呈した。今度は生物兵器による攻撃か。都知事は「ホタル撲滅」を宣言するが、緊急会見の最中、ネズミの大群が襲撃。前代未聞の怪事が続発する中、暗躍する秘密結社ゼンドーレン。その正体は……、遂に警視庁に雷名をとどろかせる魔女王・涼子が立ち上がった!
このブログのカテゴリはご覧の通り、作者ごとにわけているんですが、あらためて記事数を見ると自分の好きな作品&読みやすい作品ばかりを読んでいるなぁと実感します。
それはそれでいいのでしょうけど、ちょっと差が大きすぎる気もしないでもないですね。
今回のお涼は久しぶりに国内の話です。
黒蜘蛛島はカナダだったし、
クレオパトラの葬送は船内の出来事、
巴里・妖都変はタイトル通りパリでの話ですから。
思っていたよりかなり久しぶりに日本で暴れたんですね。
今回の敵は怖いというより気持ち悪かったです。
えっと、「ヤマガラシ」なる怪物。伝承的には妖怪っぽい。
正体は巨大ななめくじらしいのですが、このやまがらしを操っていた人物がやたらいろいろな生物を飼育していたために登場している生物は多いです。
えっと、人食いホタル、ネズミ、ハムスター、ムカデ、ミミズ……くらいかな。
全部登場するときは大群なので、想像するとけっこう気持ち悪いです。
泉田さんが以前もちらりと話題にしてましたが、人は手足のいっぱいあるものが気持ち悪い人と手足のないものを気持ち悪く思う人とに二分されるのだとか。
今回は手足のいっぱいあるムカデも手足のないミミズも出てくるのです。
どちらかというと手足がいっぱいあるほうがダメだなーとか軽く思っていたのですが、今回登場するミミズの量がすごすぎるので、正直気持ち悪かったです。
あれは苦手とか得意とかそういうレベルじゃなくて、生理的に受け入れられない……。
いつものごとく、風刺がたっぷりでした。
某都知事とか。いや、都知事って1人しかいないんだから某つける意味ないですね。
ところどころ登場する風刺ネタに気付くとニヤリとしてしまいます。
きっと私が気付いてないだけでもっとあるんだろうなぁ。
お涼と泉田さんの関係は相変わらずな感じ。
進展しているようで、していない。
お涼のアプローチなのか、いつもの傍若無人なのかの判断がつけにくいですし、
一番の問題である泉田さんが鈍い!
この人、悪い人ではないんだけどなぁ。
というか、泉田さんにとってお涼が恋愛対象になるのかが甚だ疑問です。
でもいくらなんでも「恋愛対象外なんで無理です」とはならないと思います。
このままの関係を続けるか進展するかでしょう。後退はしないと信じています。
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