少年陰陽師 嵐の剣を吹き降ろせ/結城光流
時は平安。稀代の大陰陽師・安倍晴明の末の孫の昌浩は、まだまだ修行中の半人前。雑鬼たちにからかわれながらも、物の怪のもっくんとともに都で出仕に励む日々。ところが、藤原行成の邸に星が落ちた日から、都では嵐のような風が吹き荒れはじめる。その風は、いなくなった総領の子供を捜している天狗たちが起こしているものだった!! 昌浩ともっくんは、子天狗を捜し出そうとするけれど――!? 新章<颯峰編>、開幕!!
結構久しぶりの少年陰陽師です。
この間ようやく購入したので、早速読みました。
今回は新章・颯峰(さやみね)編。
珂神編、玉依編と肉体的にも精神的にも痛い展開が続いていたんで、すごく平和だなぁ、と。
いや、4日後に都ごと吹き飛ばすとか言われているんで、平和というには語弊があるんですけど。
昌浩の状態だけ見たら寝不足になっただけですから、どうってことないですよね。
今回は読んでいて非常に楽しかったです。
掛け合いというか、会話が楽しくて可愛くて。
昌浩ともっくん、昌浩と敏次殿と敏次殿に文句がいいたいもっくん、雑鬼と昌浩、雑鬼ともっくんといった字面だけでもやりとりが楽しいとわかるキャラの会話が多いんです。
惜しむべくは、彰子もじいさまも未だ伊勢に滞在しているので、その2人との会話がないことくらいでしょうか。
あとじいさまについて行っている神将たちも登場しませんね。
正直、誰が伊勢にいて、誰が寝込んでいて、実質動けるのが誰なのかほとんど把握できていません。
都にいるのがはっきりしているのは、紅蓮、勾陳、白虎、そして天空。
伊勢は、六合と太陰。玄武と天一ってこっちでしたっけ?
冥官に力をごっそり持ってかれてまだ動けないのが朱雀、天后。
朱雀あたりはもうすぐ回復するとのこと。白虎や勾陳あたりはもう元気なので、青龍ももう大丈夫だとは思うのですがまあまず出てこないでしょうね。
大裳はそう出てくるキャラじゃないからまあいいのかな?
昌浩が敏次殿言った言葉。
「敏次殿の占は、俺にとってはじい様の次です!」(p198)
私はびっくりしてしまったのですが、敏次殿は一人称を注意して終わっています。
これってすごいことですよね?
昌浩の周りは超一流である晴明をはじめ、一流所がそろっています。
その一流を差し置いて2番目って言われているのだから喜んでもいいんじゃないのかなーと思うのですが。
今回登場するのは天狗。
天狗の子・疾風(はやち)を探す天狗たちが登場します。
その疾風の守り役である颯峰がメインになるんだと思われます。
ちゃんと接触したの颯峰と疾風様だけだし、颯峰編って名前だし。
最後の無茶した昌浩を心配する颯峰に萌えました(笑)
今巻は、疾風様を見つけ、外法の進行を止めたってところで終了。術自体は解けていないので一件落着というにはまだ早いですね。
昌浩が、雑鬼たちにつぶされもしなかったし(というか雑鬼たちがもうつぶさないっていっていてすごく残念)、このシリーズは昌浩の成長が顕著に描かれる話なのかな。
神将たちが晴明と比べてああだこうだっていっているシーンも多いし。
玉依編で吹っ切れたことで、昌浩はいい意味で変わったんでしょうね。
次巻もまた楽しみです。
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