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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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少年陰陽師 思いやれども行くかたもなし

思いやれども行くかたもなし―少年陰陽師 (角川ビーンズ文庫)少年陰陽師 思いやれども行くかたもなし/結城光流
時は平安。稀代の陰陽師・安倍晴明の後継として数々の妖と戦っている昌浩も、普段は陰陽寮の直丁として勉強中の身。昌浩と先輩陰陽生・敏次の二人で、右大臣・行成に対する呪詛返しに乗り出すことになったけれど…!?(「百鬼夜行の蠢く場所は」)、道返しの聖域に訪れた比古神が、力を貸した見返りに風音を妻によこせという。普段は感情を出さない陸傲だが…?(「それはこの手の中に」)、など計四作収録の大人気シリーズ待望の短編集!!


命令形ではない作品=短編集ということで、あらすじにもあるとおり、4作品を収録しています。
時系列はけっこうバラバラな感じ。
天孤編後~珂神編後までなのかな?
あまり時系列は気にせずともいいかもしれませんけど。


『百鬼夜行の蠢く場所は』
昌浩と敏次殿が呪詛返しに赴きます。

呪詛の矛先は行成様ですからね。昌浩も敏次殿も行成様のこと好きですからね。

相変わらずもっくんは敏次殿のことが気に食わないんですよね。
仕方の無いことはいえ、昌浩は一族以外にはほとんど過小評価されています。

もっくんからすると「昌浩はお前なんぞより数段すごいんだ!」ってことなんですよね。
でも、敏次殿のいっていることは間違っているわけではないから、昌浩は素直に聞き入れるからそれが余計もっくんにとっては気に食わないのかも。

タイトルの『百鬼夜行が蠢く場所は』は内裏の意。
政をしていくさいに、足の引っ張り合いだとか謀略だとかそういうものが多数ありますからね……。

昌浩や敏次殿はちょっと真っ直ぐすぎるので、今はまだ内裏の黒い部分には触れられないだろうなぁ。


『思いやれども行くかたもなし』
玄武の淡い恋の話。

玄武は「恋」であるということは自覚していないのですが、あれは恋だよなぁ。
汐姫は視覚と引き換えに見鬼の才を失う訳ですが、彼女の母は巫女筋だったってことを考えれば、成長したときにまた見鬼の才が発現してくれたらいいのになぁとか思いました。

この話があったから珂神編の最初の方で「元気がない」描写がされていたんですね。

あとがきによると汐姫は再登場の可能性があるみたいですし、楽しみですね。


『疾きこと嵐の如く』
太陰と大陸の神仙・巽二郎の話。

巽二郎というのは役称で、巽二郎となるための試験中の風伯(風の神さまのこと)が登場します。
その巽二郎が太陰たちの協力を得て、異邦の妖異である酸与を捕まえます。

彼は太陰にお礼というか、なんというか言いたかったようですが、もじもじし続ける巽二郎にしびれをきらして、風で大陸へ向けて飛ばしてしまいます。
彼もまた登場してくれないかなー。


『それはこの手の中に』
道反での一幕。

これは完璧、珂神編後の出来事ですね。
なんというか六合が可哀相です(笑)
道反の守護妖たちからしたら、清明や十二神将は恩人なわけじゃないですか。
大蛇を退治したり、道反に平穏をもたらしたり、風音の宿体を取り戻したり大活躍してますからね。

でも、六合は別。だって目に入れても痛くない大事な姫をかっさらっていってしまった男だから(笑)
六合のことは気に入らないまでも、比古神よりはマシだと思われているのだからまだいいと思うべきなんでしょうかね。

風音が大事にされている娘であるってことから、風音と六合の今後は大変そうです。
でも、六合は粘り強くどうにかしてしまいそうですね。



次巻からは新章ですか?
楽しみです。

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