少年陰陽師 羅刹の腕を振りほどけ/結城光流
時は平安。天狐の血を引く、安倍家の二人の陰陽師――。
「……そろそろ限界だ」謎の天狐・晶霞の言葉どおり、少年陰陽師・昌浩はその身に流れる天狐の血にのまれかけており、祖父・晴明は、命は取りとめたものの危険な状態が続いていた。そして、昌浩への想いにめざめ、いつしか彰子への嫉妬をつのらせていた中宮章子の心の闇に、藤原氏に憎悪を抱く丞按がたくみにしのび寄ってきて――。“天狐編”さらに驚きの展開に!!
少年陰陽師 儚き運命をひるがえせ/結城光流
時は平安。羅刹という化け物に呑まれて行方不明になった中宮・章子。その身代わりとして、彰子が内裏に参内することになってしまう。愛する彰子を救うため、少年陰陽師・昌浩は相棒のもっくんと共に、中宮を探しだそうとするが……。
一方、敵の天狐・凌壽と最後の戦いにのぞむ覚悟をした大陰陽師・晴明。彼と十二神将たちとの別れの時が迫っていた――。
少年陰陽師“天狐編”ついに完結!!
今日は2冊同時に紹介です。
1冊読んだ時点で紹介しようと思っていたのですが、なんとも中途半端だったんですよね。
天孤編もあと1冊だし、2冊同時に紹介したほうがいいかも、と思いまして。
なんというか、章子姫が可哀想で可哀想で仕方ありませんでした。
まるで、章子姫の存在理由が彰子の予備、みたいな感じなんですよね。
彰子に昌浩がかかわり、異邦の妖異の呪詛をうけたことにより表舞台に引っ張り出された。
そういうことなんだと思うんです。彰子に何か問題が起きなければぼんやり死んでいくはずだった。
だからこそ『目を覚ました』なんでしょう。
本来なら章子姫と昌浩が接触するようなことは起こらないはずだったんですよね。
昌浩と中宮では位が違いすぎるし、中宮は人妻な訳ですし。
でも出会ってしまった。
自分を彰子でも中宮でもなく“章子”と知る昌浩に。
けど昌浩が求めているのは章子姫ではなく彰子。
入内できなくなった理由が一見しただけではわからないくらい元気そうな彰子を見て嫉妬してしまうのも理解できてしまいますね。
最後の帝とのやりとりに少し救われました。
凌壽はいわゆるヤンデレのシスコンだったんだな、と。
正直、凌壽よりも凌壽の背後に存在していた九尾の方が気になりました。
十二神将をも凌駕する力をもつ天孤も恐れるその力は後々、昌浩が相手にすることになるのかなーとか思ってみたり。
今内裏での兄ちゃんズ+敏次殿+神将たちのやりとりがおもしろかったです。
玄武と太陰の見た目お子様な神将のやりとりは可愛らしいし、天一を天女の君と賞賛している敏次殿に怒る朱雀とか。
朱雀の天一への愛は本当にすごいです。
安倍晴明の母が狐だったというのは比較的有名な話かと思います。
最近だったらぬらりひょんの孫なんかでも扱われていましたね。
そう考えたら「実は」っていう展開は予想できなくもなかったです。
今回、紅蓮もけっこう活躍しましたね。
瀕死の状態で暴走する勾陳をとめ、凌壽に深手をおわせたり。
もっくんの姿をしてることが多いので時々忘れてしまうのですが、紅蓮は十二神将で1番強いんですよね。
うん、おもしろかったです。
次巻は兄ちゃんズが活躍する番外編とのこと。
楽しみです。
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