小説 千本桜/一斗まる(原作/黒うさP/WhiteFlame)
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国民的ボカロ曲からついに小説版誕生!!
[大正兇変]と呼ばれる大災害を境に生じた歪んだ世界。
怪現象や悪事が横行する新帝都・桜京(おうきょう)を護るため[神憑(かみつき)特殊桜小隊]が立ち上がる!!
図書館で借りてきました。
何度か言ってる気がしますが、本当に地元図書館の方向性がわかりません(爆)
この作品は、ボーカロイド楽曲「
千本桜」のノベライズになります。
帯にもある通り、ボカロ曲としても非常に有名な曲ですが、ちょっと前までまらしぃさんのピアノバージョンがトヨタのアクアのCMソングになっていたのでボーカロイドと知らなくても聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
(ちなみに現在は同じくまらしぃさんが弾いたFF曲がCMソングです)
物語は平成の世で家族と花見をしていた未來(ミク)は神隠しに遭い帝都桜京で神憑として戦う少女・初音未來の体に入り込んでしまう。
元いた世界に戻りたい未來だが、なかなか信じてもらえず桜京に馴染もうとするが……、というお話。
異世界トリップというか成り変わりっていうんですか?そういうのです。
この作品の中では、
初音ミク→初音未来、KAITO→靑音(せいね)海斗、MEIKO→紅音(あかね)鳴子、
鏡音リン→鏡音鈴、鏡音レン→鏡音錬、巡音ルカ→巡音流歌
として描かれます。
ノベライズを担当された一斗まるさんは元々MVのイラストを担当されていた方です。
ですから、イラストは綺麗です。個人的には口絵の「帝都桜京全景」が一番好きですね。
内容としては、やっぱり微妙だなぁ、というのが正直なところです。
どうして一斗さんがノベライズを担当されたのかが非常に不思議で仕方なかったです。
小説として読めるレベルではありますが、素人の二次創作読んでるような印象が最後まで離れませんでした。
まあ、プロの小説家ではないので当たり前なんでしょうが。
これだけ有名な作品のノベライズだともっと有名な方にお願いしても良かったんじゃないかな、というのが素直な印象です。
同じく有名ボカロ楽曲である
カゲロウデイズの場合は本人が執筆されてますが、あちらは20近い楽曲が複雑に絡み合っています。
他者がそれらの繋がりを把握して小説を書くのは難しいでしょうから本人が書かれるのもわかるんですけど。
こちらは1曲分だしなぁ、と。
あとはそうですね。ボーカロイドたちのイメージと描かれてるキャラクターのイメージがものすごくずれていて最初非常に読みづらかったです。
ボカロ曲って本当に多種多様な曲があります。
同じボーカロイドを使っていても可愛いのからかっこいいの、ネタ曲からエロい曲まで本当に様々です。
ですが、そんな曲を色々聞いてるとキャラのイメージが固まってきてしまうというか。
流歌ってもっとお姉さんな印象があったのでボケボケの天然っ子で描かれてる今作にものすっごい違和感。
未來がボクっ子だったのにもすごく違和感があったのですが、この感想書くのに改めて千本桜のMV見てたら「君は歌い僕は踊る」とあるんですね。
で作中で「海斗が歌い、未来が神楽舞をしてもらいたい」という話が出てくるんです。これに合わせるためのボクっ子なんでしょうか?
それ以外にも、仲間たちが誰一人として未來の話を信じないどころか真面目に聞こうともしないのにびっくり。
いや、実際そんなことが起こったらそういう反応になるんでしょうが、物語なんですから誰か一人ぐらい信じてくれる人がいても……と思ってしまいました。
今作は敵キャラがあまりにもひどすぎて、ちょっと醒めてしまいました。
生徒会長もそうですね。正直、ボカロキャラ以外の脇キャラの扱いがひどすぎる。
キャラ萌え小説でも敵を倒す課程ってのは非常に大事です。もうちょっと気を配ってほしかったです。
ラストは明らかに続くことを意識した感じ。
実際、
2巻が発売されています。
元々桜京で暮らしていた淑女の未來はいったいどうなってしまったのでしょうか。
積極的に捜しませんけど図書館で続編を購入したら借りてもいいかな、と思います。
[2回]
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