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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇

幻想即興曲 - 響季姉妹探偵 ショパン篇幻想即興曲 響季姉妹探偵 ショパン篇/西澤保彦
殺人時刻に響いたショパン みんなあの曲が好きだった
あのとき私が目撃した演奏者は誰だったのか。すべての謎と想いは、やがて一本の小説に結実し、響季姉妹の前に現れる……!
<ミステリの雄>が満を持して贈る、美しき姉妹探偵シリーズ開幕!

ピアノ教師の野田美奈子が、夫の刺殺容疑で逮捕された。しかし、小学生の古結麻里は、事件当時に別の場所でピアノを弾く美奈子を目撃していたのだ。成長した麻里は事件をモデルとした小説を書き上げるが……。
事件から40年後にその原稿を受け取った編集者の姉・響季智香子(28)は、新進ピアニストの妹・永依子(25)とともに真相を推理する。あのとき「幻想即興曲」を弾いていたのは誰だったのか。真犯人は?

時空を超えて西澤保彦が仕掛ける本格トリックに、身も心も翻弄される!


図書館でみかけて以来、気になっていたもののタイミングの問題で借りられていなかった作品を借りてきました。


物語はあらすじにあるとおり、事件が起こりその犯人とされた美奈子を犯行時刻に別の場所で目撃していた小学生・麻里が長じてからそれに疑問を覚え、調べドキュメンタリー風の小説「幻想即興曲」を書いた。
事件から40年。小説家と成功していた麻里の蔵出し作品としてこの「幻想即興曲」に日の目を見せようと編集者である智香子が読み、その内容を聞いた妹・永依子と2人で疑問点を上げ、小説とは違う真相を明らかにするというもの。


えっと、読むのにものすごく時間がかかりました。
4時間以上かかったかな?
300ページちょっととそこまで分厚い作品ではないんです。
ソフトカバー本としてはちょっと厚めな気もしましたが、このサイズならごく普通の厚さです。
ちょうど同じ出版社の同レーベルの作品を借りてきていたんでそれと比較してみましたが、1冊あたりの厚さを紙の厚さで調整しているようなのでこれは規格なのかもしれません。

で、普段の私ならこの位なら3時間かからず読み切ってしまうので、読み終わったときすごく疲れた印象を受けてしまいました。
たぶん、集中するまでにひどく時間がかかったからなんだと想います。


タイトルにもある通り、探偵役は響季姉妹。
しかしながら彼女たちが登場するのはほんの少しです。
物語の大半が、作中作「即興幻想曲」の作者である古結麻里の半生を描いているから。
古結麻里の半生を知ることで響季姉妹が読んだ「即興幻想曲」の代わりとし、
麻里がたどり着くことの出来なかった真実への手がかりが散りばめられている訳ですからね。


なんというか、思っていたより響季姉妹の登場が少なくて、驚きました。
事件自体が40年前のことであり登場人物たちのほとんどが鬼籍に入り、真相の確認しようがないのはわかります。
だから、安楽椅子探偵になってしまうのもまあ当然のことでしょう。

でももうちょっとああでもないこうでもないとやってほしかったなぁと思いました。


前述の通り、物語は麻里の半生が描かれています。
それなのに、麻里に男性と付き合うというような描写がなかったので「あれ?」と思っていたんです。
何人も登場しているのにも関わらず、知り合い、友人レベルなんですよね。
若干の違和感を覚えていたんですが、後半になってそういうことか、と。
うーん、何故百合。美奈子と先生、先生と麻里はともかく、姉妹まで百合っ気を出す必要があったのかは甚だ疑問でした。


帯に「シリーズ開幕」とありますし、タイトルも「ショパン篇」となってますからこの作品シリーズ化するってことなんでしょう。
正直、読むのは疲れてしまいますが、また読んでみたいなと思いました。

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