ぼくと未来屋の夏/はやみねかおる
夏休み前日、髪櫛小学六年の風太は「未来を知りたくないかい?」と、見たいを百円で売る<未来屋>猫柳さんに呼び止められた。
この出会いが夏休みに嵐を呼ぶ!! 彼が勝手に決めた風太の自由研究は「神隠しの森」調査!
かくれんぼすると子供が消えると言われる恐怖の森だ。他にも町には「首なし幽霊」、「人喰い小学校」、「人魚の宝」と不気味な噂が山盛り!
二人にはどんな未来がまちうけている?
久しぶりのはやみね作品です。
前回は去年の9月。だいぶあいたなぁ。
連日の暑さに、どうせなら夏らしい話を読みたいなぁと思ってこの作品を引っ張り出しました。
私が持ってるのはノベルス版ですが、元々は
ミステリーランドから発売されたんですよね。
その後、シリウスで
コミカライズ、そして最近(というか先月?)
青い鳥文庫も発売されてます。
最近、過去作品をレーベル変えて発売してるのが非常に多くてなんか微妙な気分になります。
新刊かと思ったら読んだことあるものばかりで上げて落とされてを地でいってます。
新たな読者の獲得ばかりじゃなくて既存の読者についても考えて欲しいなぁ。
閑話休題。
物語は少年・風太が未来屋を名乗る男性・猫柳さんと出会うところから始まります。
キャラ的には、だいぶアクティブな教授といったところでしょうか。
あらすじにもあるとおり、風太と猫柳さんが神隠しの森の調査をするひと夏の物語です。
読み終わって思ったのは、はやみねさんらしいな、でした。
あとがきに「自分の好きなものを、片っ端からこの本に放り込みました」とあるんですが、正にそんな感じ。
けど、たいていいつもそんな感じなんで、いつもどおりといえばいつもどおりですね(笑)
主人公である子供と風変わりな大人。様々な不思議を論理的に解き明かしていく、という基本スタンスも変わらない。
名探偵の掟なんかもそうですよね。
「名探偵が事件を解決するのは、人を幸せにするため。間違えた推理で、だれかを不幸にするなんて言語道断だよって」(p145)
だから、はやみねさんの作品では全ての謎が明らかになるわけじゃないんですよね。
今回の風太の自由研究にしても、「人喰い小学校」に関しては明らかにしても、「首なし幽霊」を放置していることでもわかります。
上の掟に関連してくるんですけど、たとえ真相がわかってもそれが世間に公表されるかはまた別の話なんですよね。
人魚の宝とはいったいなんだったんでしょうか。
海の藻屑となってしまいましたが、猫柳さんが風太が明らかにしようとしなかったということは碌なものじゃなかったんでしょうね。
あとがきにあった「未来屋の冬」。いつか発売されるといいなぁ。
作中作である「
少年名探偵WHO」が、スピンオフとして発売されているのは知っているんですが、さすがに青い鳥文庫を買う勇気はないし、図書館でも購入する気配がないので読めないままだったりします。
さすがにそれが文庫化されるとは思いませんからこのまま未読で終わってしまいそうですが、いつか読めたらいいな。
[3回]
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