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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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怪物王女 10

怪物王女 10/光永康則
血の深淵を覗け。
怪物と呼ばれる異形の者たち。
その全てを統べる王族。
王族の一員である姫は、新たな王を決める戦いの渦中にいる。
姫の血により不死身を得ることになった少年ヒロ。
ヒロは王族を巡る戦いに巻き込まれ、怪物の世界、王族の秘密、そして王位継承権争いの謎を知っていく。
しかし、その思念を計りきることはまだできない。


小説を読もうと思って、はじめ数ページしか読まずに睡魔に負けました。
帯によるとドラマCDつきの限定版もあったようですが、私が持っているのは通常版です。


【第43話 墓場王女】
【第44話 屍王女】
【第45話 招来王女】
【第46話 錯綜王女】
【第47話 廃屋王女】

が収録されています。
9巻で各話タイトルの王女の前が3文字のものが登場して、初だなーと思っていたら、今度は1文字のものが登場してます。
こういう縛りって一回崩すのとなし崩しだからなぁ。


【墓場王女】から【錯綜王女】までは一続きの話です。
ブッチーの説明から始まるんで、ブッチーとシャーウッド姫のいつものシリーズになるのかと思ったのですが、今回はそうならずブッチーは即退場しています。

ブッチーの仕入れてきた話は閉鎖中の墓地で死体が闊歩しているというもの。
その死体の中には笹泣病院の元院長の姿があったと。

院長は吸血鬼に支配されていてヒロを捕らえようとした過去があり、そのときに姫に倒されていたはずなんですよね。
それを知り、皆は調査に出かけます。

そこには「トライオキシン」なる秘薬で死体が動いていました。
姫たちはそれを止めるために動き出します。

正直、日本の墓地事情を鑑みるに、土葬しているとは思えないんですけどその辺どうなってるんでしょう。
火葬しているのに、ボコボコ墓の下から出てくる方が怖いな……。


「トライオキシン」を開発したのは蝿男。
墓場を提供したのは吸血鬼のツェペリ。
つまり黒幕はシルヴィアだったということ。

シルヴィアがなぜ死者蘇生に手を出したかというと、それは「過去の戦いで敗者となった王族を復活させる」ため。

何でも過去の戦いで死亡した成人前の王族の死体が保管されていたとかで、シルヴィアはそれを利用したよう。

今回新たな王族が登場しています。多分これ以上は増えないとおもうんだけどどうだったかな?
デュケーンは1番上の兄で、リザが探し続けていた兄・ロボの仇でした。
ロボの死体は笹鳴霊園に安置されていたらしく、今回の騒動で復活した死体の1体だったんです。
ロボの眠りが妨げられていたのはけしていいこととは言えないんでしょうが、仇が判明したことだけはよかったのかな。

死んだはずの王族が姫たちを襲ってくるわけですが、その正体はなんとサリエリ。
サリエリは今回の戦いにおける初の脱落者だったはず。博士の実験でヒロが過去にいったときの話で死んだ王族ですね。
今回登場した姿がちょっと哀れだなと思いました。


シルヴィアが王族を復活させてまでしたかったことはたった1つ。
それは「デュケーンの正体」でした。

噂レベルの話らしいんですが、「王者たるに相応しい勝者が現れるまで王族は闘い続けなければいけない」らしいです。

つまり、デュケーンは過去の戦いで生き残ったものの何らかの理由があって王にはならなかった。
そのため、今回の戦いに長兄として参戦しているってことらしいです。

その後シルヴィアが「前回の戦いの生き残り」だという老人を殺していることを思うと、王族における「成人」というのは肉体的な成人とは別物ってことのようですね。
うーん、随分ややこしくなってきた気がします。
正直この辺から流し読みし始めていたので改めて読むと結構考えさせられます……。


【廃屋王女】だけ独立した話です。
現在のヒロと9年後の未来に飛ばされた姫が携帯を通じて繋がる話。

何か問題があって姫だけが未来に飛ばされてしまい、何かに襲われていると。
姫は電話でヒロに武器を隠させることで武器を調達し何かに対抗しているという話。

この作品本当にSFめいた話多いな。
私SF苦手なんですよ。タイムパラドックスとか考えてると訳わかんなくなってくる……。

この話でも脳内グルグルしてました。
未来の姫とのやりとりで現在の姫はクロノトン地雷なるものを回避することが出来たわけです。

そうなると、「9年後に飛ばされた姫が存在する世界」がなかったものになってしまうわけで。
クロノトン地雷を回避した瞬間にそれは未来ではなく、一種のパラレルワールドへと変更されたってことになるのかな。

ヒロの部屋で絶体絶命の姫の前に現れ屋敷外への脱出路。
それはヒロが姫との約束を守るために9年の間に作りあげたってことなんでしょう。
ただその後、未来の姫は敵に戦いを挑み……ってところで本編は終了。
未来の姫が生き残ったのか、それとも敵の手に倒れてしまったのかは作者のみぞ知るってことですね。

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