ホーンテッドスクール ~高原御祓事務所始末記~/朝香祥
発端は江戸時代の非道な殺人事件、殺された者達の祟り。怨霊封じの御神木。もちろん伐採は代々禁じられてきた。そんな曰くを敷地に持つ学校が高原御祓事務所に依頼にきた。真悟の志望校星南の近くにある賀陽学院である(『禁忌(タブー)に触れてはいけません』)。一方、星南の女子更衣室では不気味な呻き声を聞く生徒が急増し…(『神さまの配剤』)。「学校の怪談」二篇。御祓屋たちの活躍がはじまる。
御祓屋シリーズ第3弾にして最後です。最後なんですが朝香祥さんの作品3つめなのでカテゴリ作成しました。
ひどく続きが気になる終り方をしているのですが、続きは出てません。
最後の謎の人物によるメールはいったいどういうことだったんだろう。
私、ずっとこのメールって三沢くんが作成したものだと思っていました。
実際は誰かわかるような描写はないんです。
多分、作中でパソコンをいじるシーンがあるのでその印象が残っていたので脳内で勝手に結び付けていたんだろうな。
作者もあとがきで「またこの二人を書くかは不明」って言ってますし、もう書かれないんでしょうけど、続き読みたかったなぁ。
『禁忌(タブー)にふれてはいけません』
御神木を移動させたことにより、おこった怪現象をどうにかしてほしいという依頼の話。
「伐採はダメでも移植はOK」と解釈した理事長がすっごいな、と。
霊の存在が普通に信じられていて、御祓師が弁護士程度に一般的な職業として存在しているという世界観であるはずなので、高名な僧侶(だったかな?)の言葉をそこまでないがしろにするものかなぁ、とちょっと違和感を覚えました。
前巻、
セカンドステップで銀行強盗に人質として捕らわれていた少女が登場するんですが、こういう展開結構好きです。
というか、この話お金持ちの登場割合高くないですか?
だからなんだ、って訳じゃないんですけどね。
透さんが真悟の復学先を勝手に決めていたりするんですが、この兄弟お互いを思いやりすぎです。
『神さまの配剤』
真悟が通うことになった学校で14年前に行方不明になった少女の霊を探す話。
真悟が無駄にひっぱたかれたりするんですが、すごく真悟らしかったです。
ひっぱたいたのも、真悟がはからずもかばうことになったのもどちらも少女だったんですが、これ少年だったらどうなってたのかなー、とちょっと気になりました。
真悟がフェミニストなのは前巻でもかなり触れられていましたからね。
途中、教師って14年も同じ学校にいるかな?と疑問に思ったんですが、そういやこの学校私立って設定でしたね。
私立ならまだありかな?
私立高校って未知の領域なんでよくはわかりませんが、ありっぽそうですよね。
少女の存在が明らかになることで多くのものが救われたかたちになったこの話。
よかったです。
あらすじで「学校の怪談」って銘打たれてますが、まったく“それ”っぽくなかったです。
まあ学校を舞台にした怪現象、ですからあながち間違っていないのかもしれませんけどね。
そろそろ平日に読めるような軽い本が少なくなってきました。
うーん、あとは何が残っていたかなぁ。
[0回]
COMMENT