朱色の研究/有栖川有栖
“2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”
臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験(トラウマ)から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった――。
さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が……?!
現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。
久しぶりに平日にラノベと児童書以外の小説を読んだ気がしますがやっぱり平日に一般向けの作品を読むのは厳しいものがありました。
感想書く時間だとかその他もろもろ生活ペースなんかを考えると7時くらいまでには読み終わっていたいんですが、これは大幅にオーバーして8時ころまでかかりました。
この朱色の研究は400ページ超。厚い分それだけ時間がかかりますからね。
基本的に平日は1日2時間程度しか読書時間がとれないので、これだけ厚いとちょっと。
正直、ラノベでも電撃文庫なんかは他と比べてちょっと厚めなのでちょっと厳しかったりします。
長編です。そして初読でした。タイトルだけは知っていたのですが、図書館にもなく、いつだったか古本屋で手に入れて積読状態だったものです。
正直、この作品はあんまりおもしろいと思えませんでした。
トリック自体はすごいと思いましたけど。
物語序盤にやたら時間かけてトリックを暴くなぁ、と感じていたんですけど、最後のどんでん返しを思えばなるほど、と。
犯人の目論見どおりというか、そういう方向で動いてましたからね。
作品冒頭で、夕陽のお告げというかそういう夕占(ゆうけ)をうけるシーンがあるんです。
正直、あれない方が良かったんじゃないかな、とか思いました。
なんとなくそんな印象を覚えました。
途中、火村先生とアリスで恋人岬に行くんですが思わず突っ込みました。
観光地みたいですし、そこまで問題ないのかもしれませんけどね。作中でアリスも突っ込んでましたが、男2人で行くようなとこじゃないだろうに。
まあ火村先生とアリスは夫婦じみてますから、そこまで違和感ないのかなぁ(笑)
ダリの繭か何かの感想でも書いた気がするんですが、あいかわらず有栖川さんの書く女性を綺麗だな、と。
今までの作品は綺麗すぎて違和感を覚えていたんですが、今作は綺麗でも問題ないキャラクターというか。
そんな感じだったのでそこまで違和感を覚えませんでした。
ようやく、火村先生の悪夢の内容が明らかになります。
今作のヒロインとでもいうべき少女が悪夢に苦しんでいる、って描写があって「実は私も」ってな具合で明かされるんです。
少女を安心させようって思惑があったんでしょうけど、火村先生はアリスにその内容を知られても問題ないって考えてるんでしょうかね。
アリスは火村先生が悪夢に飛び起きているところに出くわしても気づかないふりをしていたはずなんですが。
お互い気づいていることに気づいているんでしょうからいいのか。
「夢の中で殺している人物」と「人を殺したいと思ったことがある」。
この人物ってきっと同一人物なんでしょう。個人的に父親とかなんじゃないのかなぁ、と思ってるんですが、まだ明かされぬままです。
いつか火村先生も悪夢を見なくてすむようになればいいんですけど。
今週末はこの間借りてきた「殺気!」を読みたいなぁ、と思ってます。
もしかしたら明日は時間がなくて読めないかもしれないので、明日はなにか別な本読もうかな。
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